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人工知能でエネルギー管理も、電力需要と発電量を予測

スマートジャパン 8月16日(火)7時25分配信

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施する「新エネルギーベンチャー技術革新事業」の1つとして、このところ話題の人工知能(AI、Artificial Intelligence)をエネルギー管理に適用する研究開発プロジェクトがある。インターネットを使ったマーケティングサービスを提供するベンチャー企業のオプティマイザーがNEDOの支援を受けて取り組む計画だ。

 研究開発のテーマは「再生可能エネルギー発電対応の人工知能によるリアルタイム入札自動化技術」である。人工知能はコンピュータにデータを蓄積しながら、学習機能を生かして未来を予測できる技術である。オプティマイザーは2016年7月から2018年3月まで研究開発と実証実験を続けて実用化を目指す。

 新たに取り組むプロジェクトでは、天候によって出力が変動する太陽光発電などの発電量を人工知能の技術で予測するのと同時に、家庭や企業の電力需要の予測にも人工知能を適用する。発電量と需要の両方を的確に予測できれば、小売電気事業者は必要な電力を市場から調達しやすくなる。

 オプティマイザーは子会社の小売電気事業者であるエネルギー・オプティマイザーと共同で、電力の小売業務を実施しながら、開発した技術の性能や効果を実際のデータで検証していく。電力の需給管理と合わせて卸売市場に入札する仕組みも開発する予定だ。

 これまでオプティマイザーはインターネットを使ったWebマーケティングの分野で人工知能による予測技術を開発・運用してきた。その技術を電力の流通の仕組みにも適用してインターネットによるクラウド型のサービスで提供することを目指している。 

 すでに小売電気事業者を対象にした顧客管理システム(CRM、Customer Relationship Management)をクラウド型で提供中だ。今後は人工知能を生かした需給管理・入札システムを組み合わせることで、小売電気事業者の業務を広範囲に支援できるサービスを構築していく。

研究開発費をNEDOが100%負担

 NEDOの「新エネルギーベンチャー技術革新事業」は太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーと燃料電池・蓄電池を対象に、ベンチャー企業が開発中の有望な技術の実用化を後押しするプログラムである。技術開発の進捗状況によって4つのフェーズに分けて支援対象を選んでいる。

 2007年度から実施してきた事業だが、新たに2016年度は合計19テーマを選んで助成金を交付する。4つのフェーズのうち実用化に向けた「基盤研究」の領域では5件を採択した。太陽光発電が2件、バイオマスが1件、その他の未利用エネルギーの基盤研究が2件ある。それぞれのテーマの研究開発費を最高5000万円までNEDOが負担する。

 オプティマイザーは2005年に東京都の新宿区で創業したベンチャー企業で、太陽光発電をテーマにした基盤研究の1つとしてNEDOの採択を受けた。インターネット広告を最適化するサービスなどWebマーケティングの分野で事業を拡大した後に、2015年から小売電気事業者を支援するサービスを開始してエネルギー分野に進出した。現在は需要家を対象に電気料金の見直しと契約変更を支援するサービスも提供している。

最終更新:8月16日(火)7時25分

スマートジャパン