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火力が90%で再エネが10%、東京電力が2015年度に販売した電力

スマートジャパン 8月16日(火)13時25分配信

 政府は電力会社を含む小売電気事業者に対して、需要家に販売する電力の電源構成を開示するように求めている。東京電力の小売事業会社である東京電力エナジーパートナーは電力会社10社の先頭を切って2015年度の電源構成を8月12日に公表した。

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 東京電力が2015年度に販売した電力のうち、90%を火力発電が占めた。LNG(液化天然ガス)を中心にガス火力が66%にのぼったほか、石炭火力が18%、石油火力が6%である。一方で再生可能エネルギーによる電力は10%だった。自社で運営する水力発電所から4%、固定価格買取制度で買い取ったFIT電気が3%、それ以外の再生可能エネルギーが3%である。

 従来は販売電力量ではなくて発受電電力量による比率を開示してきた。販売電力量とさほど変わらない比率になるが、その推移を見ると東日本大震災の前後で大きく変化している。2012年度からLNGを中心とするガス火力の比率が60%を超えて、火力発電だけで90%を上回る状態になった。ただし石炭火力と石油火力を合わせた比率は減少傾向にあり、CO2排出量は減っている。

 電力会社10社を合計した電源構成と比べると大きな差がある。ガス火力の比率は10社の合計では45%前後で、代わって石炭火力が30%前後に拡大する。東京電力のCO2排出量はガス火力の比率の高さから、10社の平均よりも低い水準に収まっている。とはいえ再生可能エネルギーの比率は水力発電とFIT電気を加えると2015年度に10社の合計で15%に達していて、東京電力の比率は明らかに低い(発受電電力量の9%)。

大規模な再エネ発電設備が少ない

 東京電力の電源構成で再生可能エネルギーの比率が他の電力会社よりも低い理由は主に2つある。1つは東京電力の管内では再生可能エネルギーの発電設備が他の地域よりも少ないために、固定価格買取制度で買い取る電力量も相対的に少なくなる。もう1つは東京電力の発電所が生み出す再生可能エネルギーの電力量が限られることだ。

 東京電力は福島県や新潟県を含めて1都8県に164カ所の水力発電所を運転しているが、そのうち出力が3万kW(キロワット)以上の大規模な水力発電所は26カ所にとどまる。しかも火力発電の余剰電力を利用する揚水式が9カ所を占める。

 水力以外ではメガソーラー級の太陽光発電所を神奈川県と山梨県の合計3カ所で運転しているほか、静岡県で風力発電所、東京都の八丈島で地熱発電所を1カ所ずつ運転中だ。太陽光発電の能力は3カ所を合わせて3万kW、風力発電は1万8370kW、地熱発電は3300kWである。このほかに再生可能エネルギーの発電所を新設する計画は今のところない。

 一方で火力発電所の高効率化を積極的に推進して、燃料費とCO2排出量の削減に取り組んできた。特にLNG火力では先端技術のコンバインドサイクル発電方式を主力の火力発電所に相次いで導入している。神奈川県にある「川崎火力発電所」の最新鋭の2基では、燃料の熱エネルギーを電力に変換できる効率が61%に達する。

 こうしてLNG火力の高効率化を進めた結果、発電電力量あたりのCO2排出係数は電力会社10社の中で中部電力に次いで2番目に低くなっている。CO2を排出しない原子力発電所を再稼働させた九州電力と比べても2015年度の時点では低い水準だ。

最終更新:8月16日(火)13時25分

スマートジャパン