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本当はアン・リー用だった!『ブロークバック・マウンテン』製作者の監督デビュー作

シネマトゥデイ 8月16日(火)23時16分配信

 アン・リー作品を製作してきたフォーカス・フィーチャーズの元CEO、ジェームズ・シェイマスが、監督デビューを果たした新作『インディグネーション(原題) / Indignation』について、7月26日(現地時間)ニューヨークのAOLで開催されたイベントで語った。

【動画】ジェームズ・シェイマス脚本『ウッドストックがやってくる!』

 1950年代、朝鮮戦争下のニュージャージー州ニューアークに住む18歳の青年マーカス(ローガン・ラーマン)が、自殺未遂の過去があるオリヴィア(サラ・ガドン)や大学学部長コードウェル(トレイシー・レッツ)と出会ったことから起きる、思いがけない大学生活を描いている。2008年に出版された作家フィリップ・ロスの同名小説を映画化した。

 監督を務めた経緯について「実は、もともとアン・リー監督用の脚本だった。リー監督の『アイス・ストーム』『グリーン・デスティニー』の脚本を書き、『ブロークバック・マウンテン』を製作してきた僕は、彼が(監督候補として)最初の選択だった。でも彼はスケジュールが空いていなくて、ちょうど僕もフォーカス・フィーチャーズのCEOをクビになったため、挑戦してみようという気になったんだ」と明かした。

 フィリップ・ロスの原作を脚色することへのプレッシャーについて「もともと僕はナーバスになりやすい(笑)。フィリップはアメリカの最も偉大な作家の一人だ。この原作は彼の晩年の作品で、29作目に当たり、執筆時はほぼ作家を引退するつもりで書いたそうだ。原作は若き日のフィリップに似ていて(フィリップの自叙伝ではない)、マーカスはニューアークのユダヤ人労働者階級の肉屋の父親を持ち、家族の中で最初に大学に通うことになり、中西部の保守的な大学に行く。でもその大学では彼の計画通りにはいかず、さらに当時は朝鮮戦争、(黒人への)人種差別、反ユダヤ主義の運動などが起きていた」と説明した。本作の内容は今日の人々にも共感が持てるそうだ。

 マーカスとコードウェルが言い争う、およそ16分にもわたるシークエンスについて「あのシークエンスは、ほぼ原作のままだ。ハリウッドでは、脚本3ページ以上のシークエンスは警告を受けて、取り除かなければいけない。今作は当初10ページ以上になっていたため、資金提供されずに製作できないと思っていた。ところが、その後2、3回改稿しても取り除く部分が見つけられず、全てを原作のまま残すことになって、結局16分のシークエンスをわずか1日で撮影した」と答えた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

最終更新:8月16日(火)23時16分

シネマトゥデイ

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。