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中小企業の社長が会社を売りたいワケ

qBiz 西日本新聞経済電子版 8/16(火) 10:29配信

 中小企業の社長が会社を売りたいワケは―。年間に約250組のM&A(買収・合併)を仲介する日本M&Aセンター(東京)の三宅卓社長は、会社売却の最も多い理由を明らかにした。人口減などで市場の縮小が懸念される中、企業の再編は全国で加速。九州では、熊本地震を受け、「売買が活発化する」との見方も示した。

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 ■後継者不足が「6割」

 三宅氏が明かす「最も多い理由」。それは、「後継者不足」だ。その次に、「先行き不安」が続くという。

 企業トップの高齢化が進む九州では、「今後10年間で、本格的な事業継承問題が九州を襲う」と断言した。

 実際、帝国データバンクによると、九州の企業2万7438社を対象に後継者の有無を集計したところ、約6割の1万6424社が「後継者不在」となっていた。

 これを踏まえ、三宅氏は、「放置すれば企業が消滅する。雇用が失われ、従業員だけでなく、その家族も苦しむという負の連鎖が生まれかねない」と問題提起した。

 既に、2015年度に九州で休廃業・解散した件数は「3059件と過去最多」(帝国データバンク)。2年連続の増加で、倒産の4・8倍にまで拡大している。

 三宅氏の元にも、「会社を譲りたい」という九州の中小企業の相談が寄せられ、その件数は「2年前は約20件だったのが、昨年は約60件に上った」という。

 ■内需型が目立つ傾向

 後継者不足の背景にあるのが、「先行き不安」だ。会社を売りたいワケの1位と2位は、因果関係にもあった。

 三宅氏は「市場の縮小やグローバル化、インターネット通販の台頭などで、中小企業を取り巻く環境が厳しくなり、後継者が見つからない。トップの高齢化も進んでいる」と指摘した。

 人口減や少子化で国内市場の縮小が懸念され、グローバル化で価格競争も加速。大手のように海外に進出できる資力がある中小企業は「限られている」。

 さらに、インターネット通販の台頭で、「メーカーと消費者が(商品やサービスの売買で)直接つながった結果、卸業者は悲惨な状況にある」とも述べた。

 そうした中、小売業を買収する卸業者や、県外の企業を買収して営業エリアを広げる企業が出てきて、後継者不足に悩む企業の「買い手」になっているという。

 「特に、建設や食品などの企業のM&Aが目立ってきている」とし、内需型企業の「厳しさ」を浮き彫りにした。

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最終更新:8/16(火) 10:36

qBiz 西日本新聞経済電子版