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地球を離れた宇宙飛行士、心疾患での死亡率が5倍と判明

ギズモード・ジャパン 8月16日(火)19時10分配信

人は土を離れては生きられないのよ…。

天空の城ラピュタは、地上を去ったがゆえに滅びた高度な文明の物語として有名です。でも、そのメッセージが意外にも科学分野で真実味を帯びてきたかもしれません。

このほどNature誌の電子ジャーナル「Scientific Reports」に掲載された論文によると、NASAのApollo(アポロ)計画で宇宙へ行った宇宙飛行士のうち、これまでに43%が心臓発作などの循環器系の疾患で死亡。これは同様の疾患での死亡率で比べると、宇宙飛行士の候補として訓練を受けたものの宇宙へ行かなかったり、国際宇宙ステーションのような、地球の周回軌道上で大気の保護を受けていた宇宙飛行士たちより4~5倍も高いとのこと!

過去にも宇宙飛行士の健康状態を追跡調査した研究が発表されたことはあります。とはいえ、これほど宇宙飛行士が循環器系の疾患で死亡する確率が高いことを示すデータにはなっていませんでした。その原因は、比較対象が一般の米国民全体となっていたからのようです。

研究チームを率いた、フロリダ州立大学(Florida State University)のMichael Delpさんは、そもそも宇宙飛行士の候補に選ばれる人たちが、数々の身体検査をパスし、非常に優れた健康状態の男女ばかりで構成されていることに注目しました。こうした人々の死亡率を、多くが喫煙や肥満による健康上の問題を抱えている、米国民全体の死亡率と比べても意味はないと考えました。そうした理由により、地球を離れ、強い宇宙線にさらされた宇宙飛行士と、それほどさらされず、ダメージをあまり受けなかった宇宙飛行士を比較して、今回の結論が導き出されています。

宇宙線が循環器系におよぼす被害を調べるため、同研究チームは、Brookhaven National Laboratoryにて、擬似的な無重力状態と、強い放射線にさらされる状態を作り、それらを組み合わせた環境にネズミをおいて、影響を調べました。すると、何もしなかったネズミ以外は循環器系にダメージが出ました。しかし実験半年後、無重力状態だけにさらされたネズミは、ほぼ完全に循環器系のトラブルから立ち直りました。一方、無重力状態のあるなしに関係なく、強い放射線をあてられたネズミは、循環器系に問題が強く残っていたとのことです。

ネズミの一生における半年間は、人間ならば20年に相当するそうです。つまり、宇宙線のような強い放射線にさらされた人は、その後の人生で循環器系のトラブルを抱え続ける可能性が非常に高いことが証明された形です。さらなる詳しい研究も進められているようですが、これから火星を目指したい人類にとっては、厳しい課題を突きつけられてしまった感じですね。

image by NASA
source: Nature Scientific Reports
Jennifer Ouellette - Gizmodo US

最終更新:8月16日(火)19時10分

ギズモード・ジャパン

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