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トヨタの自動運転開発とパラリンピックの意外な関係

日刊工業新聞電子版 8月16日(火)16時14分配信

“すべての人に”自動運転、豊田社長「パラリンピックこそトヨタの果たす役割がある」

 連日熱戦が繰り広げられるブラジル・リオデジャネイロ五輪。9月7日にはリオパラリンピックが開幕する。パラリンピックはスポーツとしての注目度が高まっているだけでなく国内モノづくりに与える影響も大きくなっている。とりわけ自動車業界。トヨタ自動車はパラリンピック支援をきっかけに自動運転開発を加速したと公言している。トヨタ以外にも競技用具を開発する動きが活発化している。2020年東京パラリンピックを控える中、障害者支援という観点が国内自動車産業の技術を一段上げる要素となりそうだ。(名古屋・伊藤研二)

■果たす役割

 「パラリンピックこそトヨタの果たす役割がある」。豊田章男トヨタ社長は、こう強調する。トヨタは五輪の世界最高位スポンサーに続き、パラリンピックの世界最高位スポンサー契約を締結。豊田社長は「パラリンピックのスポンサーをするためにオリンピックのスポンサーをしているとも思う」というほどパラリンピックに対し熱い思いを抱く。

 自動運転技術に対するトヨタの姿勢は、パラリンピックをきっかけに変化している。トヨタは20年ごろに自動車専用道路での自動運転車の実用化を目指しており、一般道に対応できる自動運転車も開発している。そんなトヨタも少し前までは自動運転と距離を置いていた。

 「24時間レースで自動運転が人(の運転)に勝ったら、もう少し(開発を)進める」。豊田社長は以前、冗談交じりにこんなことも言っていた。またパラリンピック選手や障害者にとっては福祉車両「ウェルキャブ」シリーズが最適なクルマと考えていたという。しかしパラリンピックに携わるようになり選手らの話を聞くと、そうした考えが「自分本位だった」(豊田社長)と気付くことになる。

■求めている車

 「私たちもかっこいいスポーツカーに乗りたい」。障害者が本当に求めているのは、まさにトヨタがスローガンに掲げる「ファンツードライブ」そのもの。障害者に、そのファンツードライブを提供する方法こそ自動運転だった。

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最終更新:8月16日(火)16時14分

日刊工業新聞電子版