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<イラク写真報告>ヤズディ教徒襲撃から2年(7)ヤズディ住民虐殺の現場に入る~「ここで500人がISに殺された」(写真11枚)

アジアプレス・ネットワーク 8月16日(火)6時0分配信

◆散乱する衣服の下から多数の人骨

イラク北西部シンジャルを制圧した武装組織イスラム国(IS)は、ヤズディ教徒に改宗を迫り、受け入れなかった者や見せしめとして住民の殺戮を開始した。虐殺はシンジャル一帯の町や村で起き、あわせて1200人におよぶ住民が殺害されたと言われる。その後、シンジャル中心部はクルド部隊によって奪還されたが、近郊ではいまも戦闘が続き、避難民が町に帰還するのはまだ先のことだ。ヤズディ住民は、これまで隣合わせに暮らしてきたイスラム教徒も信用できなくなった、と話す。ISは街を破壊し、人びとの関係も引き裂いていた。写真報告最終回。(玉本英子)

【関連写真を見る】ヤズディ教徒襲撃から2年(6)シンジャル中心部 戦闘と空爆で破壊すさまじく(写真15枚)

ISに拉致され、その後、脱出したヤズディ女性ナディア・ムラッドさんは、2015年12月、国連安保理でヤズディ虐殺の実態と自身に起きた悲劇を証言した。彼女の家族や親戚もISに殺されている。国連の独立調査委員会は今年6月、「ジェノサイド(大量虐殺)」と認定し、国際社会が一致してこの問題に取り組むよう促している。(国連映像)

シンジャル近郊ではいくつも住民虐殺が起きた。そのひとつハルダン村を訪れた。この現場一帯で500人が殺されたという。遺体はそのまま放置されていたが、戦闘が続いていたため、墓に埋葬することもできず、この時も土を盛っただけだった。(2016年3月撮影・玉本英子)

ハルダン村の虐殺現場には住民の衣服やサンダルが散乱していた。生存者の村人によると、このジャケットを着ていた少女は、拉致しようとしたISから逃げ出したため殺害されたという。(2016年3月撮影・玉本英子)

土をかきわけると、人骨が出てきた。今も周辺にはISがいるため、調査や埋葬作業もできないままだった。現場を訪れていた住民たちは墓をつくってやれないことを悔やんでいた。(2016年3月撮影・玉本英子)

襲撃前、ハルダン村には5000人が暮らしていたが、うち500人がISに殺害された。女性や子どもは拉致され、今も行方不明になっている者も多数いる。脱出できた住民は、クルド自治区の避難民キャンプに身を寄せている。(2016年3月撮影・玉本英子)

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最終更新:8月16日(火)10時29分

アジアプレス・ネットワーク