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5.アルビス(射水市流通センター水戸田・大門) 総菜・休憩コーナー充実

北日本新聞 8月16日(火)21時51分配信

■店づくり シニアを意識

 店に入ると、すぐに目に飛び込んでくるのは、陳列棚に並べられた弁当だ。幕の内、ホタテ弁当、親子丼など、さまざまな種類がずらり。その場で注文すれば、温かいご飯を弁当に詰めてもらえる。さらに進むと、揚げ物や煮物といった総菜も並ぶ。

 7月にオープンしたばかりの食品スーパー、アルビス布瀬店(富山市布瀬町南)の店頭だ。一般的なスーパーでは入り口近くの“一等地”に必ずと言っていいほど青果が陣取るが、この店の主役は弁当などの総菜だ。配置はもとより質や量の充実も進める。

 アルビスが総菜を前面に打ち出した店づくりに注力する背景には客層の変化がある。同社の主要な顧客は30~50代の子育て世代の主婦層。一方で、高齢化が進むにつれて、近年はシニア世代の買い物客が増えている。全体に占める60代以上の割合は10年前は3割に満たなかったが、現在は4割を超える。

 シニア世代は、次第に調理に手間や時間をかけなくなってきている。夫婦2人や1人暮らしになって「簡単に食事を済ませたい」「包丁を使うのはおっくうだ」という意識が強まる傾向にあるという。

 調理済みの総菜を前面に出すのは、こうしたシニアのニーズに応えるためだ。少量の肉や魚をパック詰めしたり、野菜や果物をカットした商品を充実させているのも同じ理由だ。

 この1年間で総菜の売り上げは10%近く伸びた。付加価値の高い商品の販売は客単価や利益率のアップにもつながる。大森実社長は「ドラッグストアなど他業態との競合や人口減で市場が縮小する中、シニア世代のニーズを踏まえた商品や店づくりは不可欠だ」と力を込める。

 品ぞろえだけでなく、ハード面でも高齢者を意識した店づくりに力を入れる。その一つがイートインコーナーだ。

 イートインコーナーは、いすやテーブル、テレビ、飲料の自販機などを備え、買い物客が自由に休憩できるスペース。同社は、新店舗の開設や既存店の改装に合わせて、順次、このコーナーを設置している。

 買い物で疲れた高齢者が気兼ねなく休んだり、温かい弁当をすぐに食べたりできるようにとの配慮からだ。近所の高齢者たちが集うサロン的な場所に、との思いもある。

 他にも、駐車場の車1台分のスペースを大きく取ったり、カートを押して店内を巡りやすいよう通路の幅を広くするなど、きめ細かな店づくりに取り組んでいる。

 大森社長は「高齢化という社会の変化に伴って、コストをかけてでもスーパーも変わっていかなければならない。そうすることで競争に勝ち抜くとともに、日々の暮らしを支える社会的使命も果たしていきたい」と話している。(経済部・室田雅人)


■会社メモ
 1968年設立。北陸3県で食品スーパー55店舗を展開する。2015年に東証1部に上場した。16年3月期の連結営業収益は740億円、従業員はパートを含め3500人。本年度から3カ年の中期経営計画では、営業エリア拡大を目指しM&A(企業の合併・買収)や新規出店を積極化する方針も打ち出している。

北日本新聞社

最終更新:8月16日(火)21時51分

北日本新聞