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賃貸不動産管理士ってどんな資格?

ZUU online 8/17(水) 6:10配信

アパートやマンションの賃貸住宅管理に関して、専門的な立場から消費者やオーナーにアドバイスする「賃貸不動産経営管理士」が注目されています。国家資格ではないものの、すでに有資格者は3万人を超えるともいわれ、隠れた人気となっています。

■業者側の対応、説明不足で借り主の不安増す

賃貸住宅を借りる際に気になったり困ったりするのは、不動産会社のそっけない対応や説明不足です。不動産の知識があまりない借り主にとっては、契約や法律のことも分からないうえ、敷金に関するトラブルなどもよく耳にするので不安が高まります。

日本において、賃貸住宅は住宅戸数の4分の1以上を占めるなど、社会インフラの重要なストックであるにもかかわらず、消費者目線での環境整備やガイドライン作りは遅れていました。また、不動産の取り引きに関しては「宅地建物取引業法」があり、分譲マンションの管理についても「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」がありますが、賃貸不動産の管理については現状では特別な法規制はありません。

■管理業者の登録制度の狙いはルールの明確化

業界団体を指導する国土交通省では、賃貸人、賃借人の利益保護を図る目的で、2011年に「賃貸住宅管理業者登録制度」を施行し、賃貸住宅管理を行う事業者の登録制度を設けました。

登録制度が目指すのは、管理委託の契約時や賃貸借契約の更新時、終了時などに、契約者に対する正確な説明や書面交付を行うなどのルールの明確化です。さらに、登録制度だけではこれらが浸透しにくいと考えた業界団体では、それまで個別に行っていた有資格者制度を統一し、新たに「賃貸不動産経営管理士」資格制度を設けました。

「賃貸不動産経営管理士」になるためには、年1回の資格試験に合格して登録手続きを行う必要があります。受験者数は2013年の試験から3年連続で増え続けており、期待は大きいものの、消費者側への知名度はまだそれほど高くないといわれます。

■賃貸不動産経営管理士に期待されるのは?

資格を持つ賃貸不動産経営管理士に期待されるところは何でしょうか?

国土交通省の「平成26年度住宅市場動向調査」によると、賃貸物件の世帯主が賃貸借契約時に困ったことは「敷金・礼金などの金銭負担」や「連帯保証人の確保」、入居時に困ったのは「近隣住民の迷惑行為」や「家主・管理会社の対応」、そして退去時に困ったこととしては「家賃、敷金の清算」「修繕費用の不明朗な請求」などがそれぞれ上位に挙がりました(いずれも複数回答)。

入居時、退去時の不満の多くは、不動産管理会社がうまく対応しきれていないことに原因がありそうです。借り主にとっては、情報量や経験のある業者からの消費者の目線に立ったアドバイスを求めたいところで、専門性の高い賃貸不動産経営管理士が中立的な立場で、こうしたさまざまな事態に対処していくことも必要と思われます。

■家主へのコンサルティング業務も

この資格制度のカギとなるのは、入退去時の困りごとの解決だけでなく、住まいとなる物件に入居者が長く住みたいと思うようなきめ細かいサービスを将来提供できるかどうかということでしょう。

これには、賃貸不動産経営管理士の業務のもう一つの側面、家主に対する経営コンサルティング業務の強化が求められます。個々の問題への対応だけではなく総合的な管理の質を上げて、物件の付加価値を向上することでサービスも充実できることになります。

スタートしたばかりの賃貸不動産経営管理士資格制度ですが、お年寄りの単身入居や空き家問題の増加などを考えると、賃貸不動産にとってはこれまでと違ったニーズが出てくることも予想されます。消費者からの信頼や認知度をより高めるためにも、一定のトレーニングを受けた高い知識や倫理観を持つ専門家が、賃貸住宅管理の一翼を担うべき時代になってきたともいえそうです。(提供:民泊投資ジャーナル)

最終更新:8/17(水) 6:10

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