ここから本文です

広い農地で牧草栽培と太陽光発電、営農型のメガソーラーを北関東と東北に

スマートジャパン 8月17日(水)7時25分配信

 営農型の太陽光発電事業に乗り出す3社のうち中核になるのは、スペインの太陽光発電事業者エクセリオ(X-Elio)の日本法人のエクセリオ・ジャパンである。エクセリオ(旧ゲスタンプ・ソーラー)は日本国内で2017年末までに600MW(メガワット)の太陽光発電事業を運営する計画で、営農型でも大規模なメガソーラーを建設して事業拡大に弾みをつける。

 8月15日に発表した構想では、北関東と東北にある30~50万平方メートル規模の農地を対象に、1カ所あたり10MW程度のメガソーラーを建設する。合わせて5件程度のメガソーラーの開発を予定している。広大な農地で継続的に太陽光発電事業を運営するために、農作物は栽培が簡単な牧草に限定する方針だ。

 エクセリオは営農型の太陽光発電事業を建設・運営するための特別目的会社(SPC)を設立する。このSPCを中核に、日本国内で数多くの太陽光発電所を建設・運営しているドイツ系のjuwi(ユーイ)自然電力がメガソーラーのEPC(設計・調達・建設)とO&M(運用・保守)を担当するほか、営農型の太陽光発電設備を開発・販売する半導体商社の丸文もプロジェクトに参画することを決めた。

 3社が提携して農地の転用申請や営農のノウハウを蓄積しながら太陽光発電事業を各地に展開していく。建設用地を北関東と東北に集中させることで、農作業に必要な機材を複数のメガソーラーで共有してコスト削減を図る。牧草の種まきから除草・収穫・回収までの業務はjuwi自然電力が農業法人と連携して実施する予定だ。

 エクセリオとjuwi自然電力は岩手県の太平洋沿岸にある洋野町(ひろのちょう)でメガソーラーを建設した実績がある。広さが41万平方メートルに及ぶゴルフ場の跡地を利用して、発電能力が25MWの大規模なメガソーラーを2016年5月に稼働させた。エクセリオ・ジャパンが事業開発を担当して、juwi自然電力がEPCとO&Mを受託した。

丸文は2013年から営農型の太陽光発電に

 エクセリオ・ジャパンとjuwi自然電力は新たに建設する営農型のメガソーラーでも同様の体制をとる。違う点は丸文が担当する営農型の発電事業に特有の業務だ。農地で発電事業を実施するためには、国や自治体から転用許可を取得しなくてはならない。面積が4万平方メートルを超える場合は農林水産大臣、4万平方メートル以下であれば都道府県知事の許可が必要になる。

 丸文は半導体や電子部品を中心に取り扱うエレクトロニクスの専門商社だが、2013年から営農型の太陽光発電パック「SOLAR営農(そらぁええの~)」を独自に開発して販売に乗り出した。農地に支柱を立てて架台を組んで太陽光パネルを設置する方式である。農地の転用申請から架台の設計、太陽光パネルとパワーコンディショナーを含めた発電設備の施工までを一括で提供する。

 これまでに全国各地でSOLAR営農を導入した実績があり、地域ごとで異なる農地の転用申請も数多く経験している。転用申請にあたっては太陽光パネルによる農地の遮光率を計算する必要があり、丸文が架台の設計と合わせて実施することで申請取得までの期間を短縮できる。

 エクセリオ・ジャパンを中核にした3社は固定価格買取制度の認定を取得済みの他社の大型プロジェクトのうち、開発が停滞している案件から優先的に事業化していく方針だ。対象になるプロジェクトを特定した後に、農地の転用申請の手続きを進めるのと並行して金融機関と協議しながら資金を調達する。

最終更新:8月17日(水)7時25分

スマートジャパン