ここから本文です

燃料電池商用車実現に向け日米企業が提携、寒冷地対応技術の普及に期待

スマートジャパン 8月17日(水)11時10分配信

 燃料電池車の開発においては、既にトヨタ自動車のMIRAIをはじめ、日本メーカーを中心に乗用車分野において量産化が行われている。今後はさらに大型の商用車分野においても、燃料電池化が進むと想定されている。燃料電池商用車は、2025年頃には量産化が進み世界で数万台の生産規模になるともいわれている。特に欧米においては商用車中心に実証研究が進んでおり、燃料電池の出荷実績(電池容量ベース)や関連技術の特許数から見ても、米国は日本と並ぶ燃料電池技術の先進国といえる。

●30年以上の燃料電池の開発歴

 新たに住友商事が提携を発表した米国のUS Hybrid社(以下USH社)は、傘下のUS FuelCell社とともに、米国で約30年の燃料電池開発経験があり、中大型のバスおよびトラック用途を中心とした燃料電池開発や生産を行っている(図1)。

 USH社の燃料電池は、カリフォルニア州における路線バスの実証実験にて2万1000時間を超える耐久性能を発揮し、故障なしで90%以上の稼働率を記録するなど、実用化に最も近い技術として、米国エネルギー省傘下の国立研究機関により評価を受けている。

●寒冷地対応の新型燃料電池

 さらにUSH社が製品化を発表した寒冷地対応の新型燃料電池も注目を集める。燃料電池にとって水素と酸素の電気化学反応により燃料電池内部に水を生み出すが、寒冷地だとこの水が凍るために燃料電池がうまく動作しないという問題が生じる。USH社が開発した寒冷地対応新型燃料電池はこの生成水の制御を改善したものであるという。

 住友商事グループは、クリーンエネルギーソースとして水素に注目しており、燃料電池技術の車両への適用など、さまざまな可能性を模索してきた。今回の契約により、全世界にわたるネットワークを活用し、USH社の技術力と日系企業の技術力の橋渡しを行い、商業化を加速させる方針だ。さらに、燃料電池商用車の日本市場での普及促進を通して、公共輸送部門を中心とした水素社会インフラの構築に貢献するとしている。

最終更新:8月17日(水)11時10分

スマートジャパン