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30代の◯人に1人が結核患者?進化して復活した、恐るべき5つの感染症

ZUU online 8/17(水) 18:10配信

かつて死病と恐れられ大流行した感染症が「再興感染症」として復活している。更に困ったことに、近年抗生物質の効かない薬剤耐性菌に進化しているのだという。感染症の原因菌が薬剤耐性を持つと、従来の治療法が通用しなくなる。そのため、効果のある治療薬が開発されるまでに流行した場合、危険にさらされることになるのだ。

■眠りから覚めた感染症 日本の外では流行中だった

最近、増加している「再興感染症」は、結核、マラリア、デング熱、狂犬病、コレラの5つである。

◎「亡国病」と恐れられ、偉人達の命も奪った 「結核」

数年前に芸能人が感染したことで、にわかに注目を集めた結核。幕末の志士である高杉晋作や、池田屋での喀血(諸説あり)も知られる新選組・沖田総司、俳人・正岡子規、作家・樋口一葉など若くして亡くなった偉人も多い。その治療薬としてペニシリンが伝わったのは、明治期に入ってからである。

実は日本、結核患者が先進国の中でも多く、「結核中進国」と位置づけられている。中でも、薬が効かない「(超)多剤耐性菌」による感染者が増えている。感染した場合、抗生物質が効かず除菌も難しいことから、死亡する場合もあるのだ。

結核が再興した理由は多剤耐性菌の出現以外にも複数ある。免疫のない若い世代の集団感染、発見時すでに重病化しているケースの増加、高齢者などの発病増加があげられる。

厚生労働省の平成26年度集計結果によると、働き盛りの30代の結核感染者数は1235人で、16人に1人が感染している計算だ。初期症状は風邪と間違いやすく、倦怠感、体重の減少、食欲不振などに加え、大量の寝汗や微熱、咳や淡が出る。こうした症状が長く続いた場合には、仕事が忙しくても、早期の段階で検査を受けることが重要だ。

◎蚊が媒介し、世界で年間約2億人が感染 「マラリア」

蚊が媒介する感染症が多くあるが、その中でもマラリアは比較的名前を知られた病気だろう。2014年の国立感染症研究所の調査によると、30代感染者は感染者全体の30.9%の162例。感染者の多くは、公衆衛生の環境が整っていない発展途上国、中でもアジア、オセアニアやアフリカの熱帯や亜熱帯地域で感染している。かつて日本にも、土着のマラリアが存在したが、現在報告されているのは海外で感染したケースで、土着のマラリアは撲滅されている。

マラリアを媒介するのは、ハマダラ蚊という高緯度地域に生息する蚊で、さされることで感染する。潜伏期間が1週間から1カ月程あり、発熱、嘔吐、関節や筋肉痛、頭痛、寒気の症状が出てくる。

ハマダラ蚊は夕暮れから明け方にかけて活動するので、気温が下がってきたからと言って日差し避けの上着を脱いで肌を出さず、長袖・長ズボンの着用を心がけたい。また、マラリアは予防・治療のできる病気なので、感染地域行く前に予防薬を処方してもらうのも有効だ。

改ページ>>残る3つの感染症は実は……

◎2014年には流行したのも記憶に新しい 「デング熱」

国立感染症研究所によると、2015年には感染例は656例あったが、そのうち100例は30代だった。2014年には東京・代々木公園などでデングウイルスを持つ蚊が発生し、160人を超える感染者を出したことも記憶にあるだろう。

感染すると3~15日の潜伏期間を経て、発熱や頭痛、筋肉や骨関節の痛み、倦怠感などの症状が出る。アジア、オセアニア、中南米、中東、アフリカの熱帯や亜熱帯が流行地域なのだが、年間5000万~1億人の患者のうち、70%をアジア圏が占めており、中でも全世界の患者の34%をインドが占めている。

地球温暖化や国際化などの影響で、感染が拡大していると言われているが、予防ワクチンや治療薬はまだなく、現在開発が進められている。流行している地域に行く際は、マラリア同様に肌を出さない服装の着用が効果的だ。デング熱の疑いがある初期症状が出たら、すぐに保健所に相談しよう。

◎致死率ほぼ100%、世界で感染者が出続ける 「狂犬病」

日本を除くと、英国やオーストラリア、ハワイなどの10の国と地域でしか発生が抑えられていない狂犬病。実は犬だけの病気ではないため、海外に渡航する際には、野良犬や野生動物には近づかないことが大事だ。

厚生労働省によると、海外感染を除き日本での発症例は、1956年以降ないので詳しいデータはない。狂犬病に感染すると、一時的に強い不安感から錯乱状態に陥り、水を見たり冷たい風にあたったりすると首の筋肉が痙攣する恐水症・恐風症、高熱や麻痺状態が続き、呼吸障害を起こして死亡する。

ワクチン接種をせずに発病した場合、ほぼ100%の致死率であり、エイズとともに「最も致死率が高い病気」としてギネスに登録されている。狂犬病がある国に行く場合、事前の予防接種は必要不可欠だが、もし感染が疑われる動物に噛まれた場合は、直後からワクチンを接種し続けることで、発症を抑えられるので覚えておこう。

◎江戸時代、コロリと恐れられた 「コレラ」

急性胃腸炎の一種であるコレラは、発展途上国では日常的に発生している病気だ。国立感染症研究所の2011年の資料によると、海外でコレラに発症した30代は10人、国内発症例は女性のみ2人だ。

コレラは潜伏期間が数日あり、激しい下痢や発熱を伴う腸管感染症だ。通常口にした飲み物や食べ物に菌がついていても、胃酸によって死滅するが、胃の切除手術や胃酸欠乏の人は、コレラ菌が死滅せず感染しやすいので注意が必要だ。

コレラには予防ワクチンや治療薬は存在せず、経口補水液などで脱水症状を抑えつつ、抗菌薬で菌を駆逐していく。公衆衛生環境の悪い国では、特に真水や手洗いに注意しなくてはならない。

■「薬があるから大丈夫」ではなく「薬にこそ注意」

耐性菌が増加している背景はいくつかある。その中に、忙しい働き盛りの世代が、自己判断で安易に服薬する、通院や服薬を途中で止めてしまうなども含まれるだろう。

受診遅れで周囲に感染を広げることも問題だが、効果の無い薬の服用や間違った量や種類の服薬、勝手に服薬を打ち切るなどの行動で、菌が突然変異を起こしてしまうことも大問題だ。

多くの人と日常的に接するビジネスマンだからこそ、自己管理に加え周囲への配慮をするのは基本といえるだろう。(ZUU online編集部)

最終更新:8/17(水) 18:10

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