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[時論]THAADを連日非難 韓国政治にも口出しする中国メディア

聯合ニュース 8月17日(水)16時36分配信

【ソウル聯合ニュース】韓国政府が米最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の国内配備を決定したことに対し、中国メディアが度を越えた非難や批判を続けている。

 中国メディアはこれまで、THAAD配備が自国の安全保障上の利益を損なうと主張し、韓国に対する「経済報復」などを警告してきた。中国政府が公の場で報復に言及したことはないが、官製メディアが自国民に一方的にTHAADの「危険性」を伝え、同時に韓国国内の配備反対世論を煽っているのだ。

 一党独裁の中国において、大手メディアは党と政府の宣伝窓口にすぎず、政府の政策への批判は許されない。しかし、だからといって外交慣例を無視して他国の政治にまで介入しようとする傍若無人な報道が許されるわけではない。

 中国政府寄りの学者として知られる大学教授は15日付の中国紙・北京青年報への寄稿文で、朴槿恵(パク・クネ)政権発足以降の韓国は「乱世」状態だとし、THAAD問題で韓国は後戻りできなくなっただけに、危機脱却のため政権交代が必要だと主張した。当局の覚えをめでたくしたいという気持ちは分かるが、自国にとって都合が良くないからと隣国の政権交代にまで言及するとは、学者としての資質を疑ってしまう。

 中国政府系英字紙のチャイナデイリーは13日付の分析記事で、朴大統領は「THAAD配備という政治的ミス」により、中国との間で成し遂げた成果を台無しにしたとする自国専門家の言葉を伝えた。

 また、中国共産党機関紙・人民日報系の英字紙グローバル・タイムズは、韓国野党関係者の配備反対意見を伝えた記事に「THAADが朴大統領を弾劾するのに使われるかもしれない」という刺激的なタイトルを掲げた。中国の反対をはねつけて配備を決定した責任を朴大統領に押し付け、非難を集中させている格好だ。朴政権に圧力をかけることで、来年末の韓国大統領選への影響力を強めようとする意図がうかがえる。

 中国メディアは、韓国国内にはまるでTHAAD反対派しか存在しないかのような歪(ゆが)んだ報道をしている。世論調査会社の韓国ギャラップは12日、配備に対し賛成が56%、反対が31%だったとする調査結果を発表したが、中国の報道にこうしたことは出てこない。防衛用ミサイルシステムであるTHAADの配備を招いた北朝鮮の核やミサイルに対する批判もみられない。報道の公平性やバランスなど考えず、自国の立場に沿う内容ばかりを膨らませて報じているのだ。

 中国メディアが、こんなやり方で韓国の世論や政治を動かせると考えているなら、それは誤算だ。逆に、一方的で偏った宣伝媒体だと自ら告げているにすぎない。

最終更新:8月17日(水)16時39分

聯合ニュース