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高性能なのに静音!? Pascal世代の最新GPUを搭載したデュアル水冷モデル「G-Master Hydro Z170」

ITmedia PC USER 8月17日(水)23時22分配信

 BTOメーカーのサイコムは、CPUとGPUに水冷システムを導入したデュアル水冷モデル「G-Master Hydro」や、Noctua製ファンをはじめとする高品質なパーツを組み合わせることで究極レベルの静かさを実現した「Silent-Master Pro」など、エンスージアスト向けのハイスペック構成だけでなく、静音性にもこだわったモノ作りで定評がある。

【独自のデュアル水冷システム】

 今回、Pascal世代のGeForce GTX 1070/GTX 1080をいち早く水冷化し、デュアル水冷システムに組み込んだ「G-Master Hydro Z170」の最新モデルを取り上げよう。

●性能と静音性のバランスを突き詰めたデュアル水冷

 基本的にPCは高性能になればなるほど、それを支えるCPUやGPUの発熱は高くなる。ハイエンドなパーツで固めたゲーミングマシンがうるさいと感じるのは、システムの冷却に十分な風量を確保するため、どうしてもファンノイズ大きくなりがちだからだ。特に高いグラフィックスパフォーマンスを必要とするゲーミングマシンは、CPUだけでなくGPUでもファンノイズが無視できない問題になる。また、十分な冷却性能がなければGPUのブーストクロックが維持できず、性能を追求するのであれば余裕を持った冷却システムが求められる。

 そこでサイコムは、システムの主要な熱源であるCPUとGPUの両方に水冷システムを組み込み、高い性能(つまり十分な冷却性能)と静音性を両立した。それが“デュアル水冷”をうたうG-Master Hydroシリーズだ。特にGPUの水冷はCPUの水冷に比べると独自のノウハウが必要になり、PCメーカーが販売する製品としてデュアル水冷(メーカーによってはダブル水冷)を採用するシステムは多くない。それだけに、最新GPUのGeForce GTX 1070/GTX 1080でサイコムがいち早く水冷化に取り組んでいるのは、性能と静音性を両立したいと考えるユーザーにとって朗報だろう。

 G-Master Hydro Z170の水冷システムは、GeForce GTX 900シリーズで採用した水冷システムを踏襲している。具体的には、CPUクーラーにASETEKの「550LC」、グラフィックスカード側に「740GN」を組み込み、ケースの背面と上部に設置したラジエーターで放熱する構成だ。ラジエーターにはENERMAX製の静音12chファン(UCTB12P)を装着し、いずれも低速で回転する。同社によると、ノイズレベルは18dBA以下とのことだが、実際にケースを開けて耳を近づけない限り音が気になることは皆無だ。

●サイコムならではのこだわりが光る

 PCケースも引き続き、Fractal Designの「Define R5」を採用する。フロントドアとサイドパネルに吸音シートを張り、冷却ポンプやラジエーターファンの音をさらに低減しているほか、底部のインシュレーターによる振動防止などケース自体に静音性への配慮がみられる。また、フロントドア内の防じんフィルターによってホコリの侵入を防ぐだけでなく、天面部にはサイコムオリジナルのメッシュカバーを装着してるのが目を引く。マグネットで着脱できる仕様でホコリの除去もしやすく、何よりケース全体の見た目もいい。

 そしてさらに、今回からグラフィックスカードに「CARDKEEPER」を付属しているのがユニークだ。これは輸送時にグラフィックスカードのネジが緩み、ケース内で脱落するのを防ぐためのものだが、振動を抑える役目もあり、わずかながら静音性にも貢献しているだろう。また、そもそもカードの脱落などほとんど起こらないと思われるが、「あったら安心、それならあるほうがいい」というスタンスで標準品にしてしまうあたり、サイコムらしい異常なまでのこだわりを感じる。ちなみにこのCARDKEEPER、これだけを作っているメーカーのようだ。

●Skylake+Pascalの最新ハイエンドシステム

 基本システムはSkylake(開発コード名)こと第6世代Coreと、PascalアーキテクチャのGeForce GTX 10シリーズを組み合わせた最新システムだ。CPUはCore i5-6400TからCore i7-6700Kまで9種類から、グラフィックスはGTX 1070/1080だけでなく、前世代のGTX TITANや980Tiも残されている。

 マザーボードは標準でASRockの「Z170 Extreme 4」を採用。PCI Express 3.0 x4対応のM.2スロットや、Type-A/Type-C両方のUSB 3.1ポート、高品質オンボードサウンドなど先進機能を搭載しており不満はない。またBTOではさらに上位のAsRock Z170 Extreme 6や、ASUSおよびMSIのゲーミングマザーも選べる。

 メモリは標準で8GB(4GB×2)のPC4-17000 DIMMを搭載。容量はBTOで最大64GB(16GB×4)まで増設できるほか、CorsairのVENGEANCEも用意されている(こちらは最大32GBまで)。ストレージは標準でCrucialの480GB SSD「CT480BX200SSD1」を搭載するが、PLEXTORやSanDisk、Intel、東芝などブランド指定で選べるほか、データ用に大容量HDDを追加することも可能だ。BTOメーカーの中でもブランド指定で幅広い選択肢からパーツを選べるのもサイコムの特徴といえる。

●ベンチマークで新世代システムの性能を確かめる

 それでは定番ベンチマークテストで性能を見ていこう。評価機の構成は、CPUにCore i7-6700K(4GHz/最大4.2GHz)、チップセットにZ170、メモリが8GB、ストレージが750GB SSD+1TB HDD、グラフィックスにGeForce GTX 1070を搭載する。現状のBTOメニューではCrucialの750GB SSDは選択できないが、同構成はファイナルファンタジーXIV推奨モデル「G-Master Hydro Z170-FFXIV2」に近い。

 CPU性能の指標になるCINEBENCH R15の結果は、定格4GHzを超える4コア/8スレッド動作のCore i7-6700Kだけあってスコアは893cbと高く、シングル時も175cbと優秀。基本的なOS操作はもちろん、動画編集などの負荷が高い作業まで快適にこなせるはずだ。

 次に、実際のアプリケーションを利用してPCの各種用途をシミュレートするPCMark 8は、Homeが5118、Creativeが7988、Workが5435とこちらも優秀な結果。CPU性能だけでなく、グラフィックスやストレージも含めたシステム全体としても高いレベルでバランスのとれた構成であることが分かる。

 一方、ゲームプレイの快適さに直結するグラフィックス性能は、3DMarkが示したスコア通り非常に良好な結果。Fire Strikeのスコアで11924、4K解像度でのゲーム性能を測るFire Strike Ultraでも3257と高い画質でゲームを楽しめる性能を備えている。FINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルドベンチマークでも同様に、1920×1080ピクセル/最高画質/DirectX 11の設定で14375のスコアを出し「非常に快適」の指標、3840×2160ピクセルの4K/最高画質設定でも「快適」評価のスコアを示した。

 以上のように、最新世代のCPUとGPUによって非常に高い性能を実現しつつ、動作音がまったく気にならないことに驚かされる。Web閲覧などの通常利用で騒音を感じることは皆無だし、負荷の高いベンチマークの連続実行時でも、意識的に音を聞こうとしなければ意識しないレベルだ。まさにハイエンドと静音性を両立するデュアル水冷ならではと言える。

 G-Master Hydro Z170の価格は、Core i5-6400とGTX 1070を搭載した標準構成なら送料/税込みで18万1320円と20万を大きく切り、評価機の構成に近いFINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルドの推奨認定モデルである「G-Master Hydro Z170-FFXIV2」でも送料/税込みで22万4510円と手の届きやすい価格に収まっている。高性能なゲーミングデスクトップPCは各社ラインアップしているが、ひと味違うプラスαを求めるのなら、上質さを求める独自のこだわりを持つサイコムはうってつけのメーカーといえる。

最終更新:8月17日(水)23時22分

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