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下期の熱延コイル輸出商談、400ドル台で底固めへ

鉄鋼新聞 8/17(水) 6:00配信

 今年度下期の高炉メーカーの熱延コイル輸出商談は、トン当たり400ドル台で底固めを図る展開になりそうだ。中国をはじめ海外ホット市況には底入れ感が広がっており、これまでのCFR300ドル台後半から400ドル前後へと切り上がりつつある。一方、円高の進行で日本高炉の輸出採算は悪化しており、現状の市況水準では依然として厳しい。ホット輸出でもまずは450ドル程度を視野に値上げの機会をうかがっていくことになる。

 海外ホット市況は年初の280ドルから4月には一部の中国ミルから500ドル近くのオファーが出るまで急騰した。ただこの時は日本をはじめ韓国、中国の各国ミルに輸出余力がなく、実際の商いが伴わなかったため実勢価格として定着しなかった。
 5月に反動でホット市況は急落したが、6月以降は300ドル台後半のレンジ内で落ち着き、底値は定まっていた。中国内で減産の動きが強まった7月半ばからは緩やかな上昇基調へ転じている。
 日本高炉は4~6月期に設備改修で輸出余力がなく、7~9月期もこの時のキャリーオーバーや9月に予定されている新日鉄住金大分製鉄所の熱延ミル改修でホット輸出はタイトな情勢が続いた。10月以降は改修要因がなくなるものの「内需発現で輸出向けの余力は依然として限られる」(高炉メーカー幹部)と見られている。
 ホット輸出をめぐる通商措置も増えているが、比較的日本高炉はこの影響が小さい。インド向けは措置が適用されない再輸出品用で現地リローラーからの引き合いは続いており、米国向けではアンチダンピング(反不当廉売=AD)税率が一ケタ台となったため現地事業会社への母材供給を続けられそう。トルコではホットへのAD発動が見送られた。
 一方で、懸念材料の一つは韓国ミルの動向だ。ポスコは米国でADと相殺関税合わせ60%程度の高税率が課されることになり、主力だった米向け商権を失いかねず「代替で他市場への輸出攻勢が強まる可能性がある」(同)。5~6月に高炉が不調だった現代製鉄の生産も復旧しており、上期に抑制気味だった韓国勢のホットとの競合が強まる恐れがある。

最終更新:8/17(水) 6:00

鉄鋼新聞