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年金受け取り・定期貯金サービス 高齢者向け独自色 JAバンク

日本農業新聞 8/17(水) 7:01配信

 JAバンクが、シニア層の顧客を取り込もうと、年金受け取りや定期貯金へのサービスで独自色を発揮する例が増えてきた。年金定期貯金を申し込んだ人に抽選で農産物や直売所クーポンを贈るなど、地域農業の応援にもつながる特典が目立っている。他の金融機関も高齢者向け商品開発に力を入れる中、“JAならでは”のサービスで区別化を図る。

国産農産物や直売所クーポン・・・

 41都道府県(7月末現在)のJAバンクが取り扱う年金定期貯金「結いの恵み」は、今年4~6月の申し込みが前年同期比約4割増と好調だ。JAバンクの口座で年金を受け取り、定期貯金に申し込むと、米や牛肉、乳製品などの国産農産物や食品を抽選で贈る仕組みだ。1口50万円で、取り扱いを始めた昨年度は12万8000人が申し込んだ。

 農林中央金庫は「農産物や食品の品質の良さが当選者の口コミで広がっている」(JAバンク企画推進部)とみる。

 地産地消の推進のため、県信連やJAが年金受け取りに独自の特典を付ける動きも活発だ。特典の多くが地元の農畜産品だが、長野県JAバンクでは「信州アルプス牛」などの特産品だけでなく、JAの農産物直売所で使えるクーポン券もメニューに加えた。農林中金も「直売所の活性化につながる面白い取り組み」(同部)と注目する。

 こうした流れはJAバンクの自己改革で農業と地域をつなぐ「農とあゆむプロジェクト」の一環。農林中金は「これを機に消費者の国産農産物のファンを増やしたい」(同部)と話す。JAバンクが目標に掲げるJA貯金100兆円の早期達成に向け、個人向け信用事業の最終目標である年金口座の確保を後押しする狙いもある。

 農林中金総合研究所基礎研究部の田口さつき主任研究員は「日銀のマイナス金利政策で預金金利が低下し、金利以外のサービスが見直されている」と指摘。その上で「JAは他の金融機関にはない利用者との距離の近さや総合力を生かした、口座開設後の継続的なサポート強化が重要だ」と話す。

他金融機関も 企画を充実

 他の金融機関でも、シニアは重要な客層とあって高齢層向け企画を充実させている。ゆうちょ銀行は今年度、年金を受け取る人へのキャンペーンを見直した。昨年度まで金利を上乗せしていたが、今春以降、「かんぽの宿」で使える割引券をプレゼント。「退職後の趣味として、旅行を楽しみたいというニーズに応えた」(広報部)とする。三菱UFJ信託銀行は認知症などのリスクから資産を守る仕組みをつくり、6月に取り扱いを始めた。本人が解約を希望しても、老人ホームの入居一時金や高額医療費の支払い以外の目的では応じない。利用者は電話で認知症の相談を受けることもできる。

日本農業新聞

最終更新:8/17(水) 7:01

日本農業新聞