ここから本文です

シャープは液晶だけじゃない! 人に寄り添う “対話型AI家電” で復活ののろし

日刊工業新聞電子版 8月17日(水)15時50分配信

他社とは異なるアプローチ「AIoT」で差別化

 総合電機メーカー各社が人工知能(AI)の活用に力を注ぐ中、シャープは感情豊かにスマートフォンが話しかける「エモパー」機能や、音声対話で献立を選べるウォーターオーブン「ヘルシオ」など家電とユーザーのコミュニケーションを重視したAI応用で差別化している。同社が目指すAI活用の方向性を通信システム事業本部パーソナル通信事業部商品企画部小林繁部長に聞いた。

―家電とAIを融合した製品を投入しています。
 「冷蔵庫や洗濯機など白物家電のネットワーク化自体は古くから取り組みがあった。だが通信などの諸技術が伴わず、何をすれば役立つのかも分かっていなかった。近年、クラウドや音声対話、センシング、AIなどの技術が高まり実用化の芽が出てきたので主にエンターテインメント色の強いAI応用を進めている」

―AIとモノのインターネット(IoT)を融合した「AIoT」をビジョンに掲げています。
 「家電をクラウドにつなげてAIを生かす。これで家電がもっと人に寄り添う存在になる、というのがコンセプト。使っていくにつれ嗜好(しこう)を理解しその家庭に応じて家電が使いやすく成長すること、必要なときその場ですぐサービスに接続して利用できること、という二つの価値提供を目指しているAI自体の技術は他社の技術も活用する」

家電を核に住環境全体が進化していく

―具体的な特徴は。
 「9月に発売するヘルシオは、対話や調理履歴を基にAIが利用者の好みを学び、献立を提案できるようになる。テレビでは『ココロビジョン』の機能を搭載すれば人が近づくと関知してスイッチがつき、好みの番組を教えてくれ、音声対話で番組を検索できる。二足歩行ロボット型携帯電話の『ロボホン』は、音声対話による操作や情報の検索、ニュース提供などアプリケーションをいろいろ活用できるものだ。音声対話は操作が簡単になり、愛着も湧くのでメリットが多い」

―AI搭載が標準になりますか。
 「今年は全5種を投入する。AIが不要な家電もあるのでいろいろと選別することになるだろう。クラウド側は標準的な部分を多くし、家電側はそれぞれの仕様に合わせたインターフェースに工夫する。話すスピードなども家電ごとに違った方が使いやすい。AIによる差別化で、買い替え時もシャープの製品を使ってもらえるよう、導きたい」

 音声対話や嗜好理解により家電を進化させるというやり方は、他社にはありそうでない。音声対話の聞き取りや語彙(ごい)などが充実してくれば、家電を核にして住環境全体を進化させる「スマートホーム」化も可能だろう。米アイロボットもスマートホームに注目している。うまく進化の方向を導けば面白くなるだろう。(石橋弘彰)

最終更新:8月17日(水)15時50分

日刊工業新聞電子版