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夕張支線の廃止を正式に申し入れ JR北海道、夕張市長の「ピンチをチャンスに」提案受け

乗りものニュース 8月17日(水)14時39分配信

石炭の輸送で栄えた路線

 JR北海道は2016年8月17日(水)、石勝線のうち「夕張支線」と呼ばれる新夕張~夕張間の廃止を、正式に夕張市長へ申し入れたと発表しました。長さは16.1kmで、全区間が夕張市内です。

【図表】国内鉄道路線の動向一覧〈北海道~中部編〉

 1892(明治25)年に開通した同区間は、夕張炭田で産出される石炭の輸送で往時はにぎわいましたが、石炭産業の衰退や自動車の普及などによって需要が大幅に減少。国鉄が分割民営化され、JRが発足した1987(昭和62)年度は1129人だった輸送密度(1日1kmあたりの平均輸送量)が2015(平成27)年度は118人と、約30年で10分の1に激減。「弊社の営業線区のなかでも極めてご利用が少ない線区」(JR北海道)といい、2014年度は約1億8000万円の赤字になっていました。また、すでに開通から100年以上がたっているため、トンネルや橋梁など土木構造物の老朽劣化が激しく、列車を継続的に運行するには巨額の維持更新費が必要といいます。

「ピンチをチャンス」に 廃止の時期は?

 この夕張支線を始め、道内のさまざまな区間で利用者が減少し、厳しい経営状況が続いているJR北海道に対し、夕張市の鈴木直道市長は8月8日(月)、「線区を今後も将来にわたって維持することが困難である以上、ピンチをチャンスに変えて、この機会に将来を見据えて効率的で持続可能な交通体系を夕張市に構築したい」と提案しました。

 これについてJR北海道は「おのおのの地域にあった交通体系を(各地域と)ご相談したいと考えていた弊社の考えと合致するもの」として、社内で検討。その結果、8月17日(水)に同区間の鉄道事業廃止を夕張市長へ正式に申し入れました。廃止の時期については今後の協議を踏まえ別途、提案するとのこと。

「地域の皆さまには、今後丁寧なご説明を行いながら、本日の提案に基づいた協議を進めていきたいと考えております」(JR北海道)

 廃止対象の新夕張~夕張間には並行して路線バスが運行されており、現在、列車は1日上下10本であるところ、バスは11本から20本の運行。JR北海道によると路線バスが重要な生活の足になっているといいます。

 なおJR北海道の路線では、2016年12月5日(月)に留萌本線の留萌~増毛間16.7kmが廃止される予定です。

恵 知仁(鉄道ライター)

最終更新:8月17日(水)18時39分

乗りものニュース