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小林武史、復興支援で改めて感じたアートの必要性「心にアプローチしていく仕事は大切」

MusicVoice 8/17(水) 15:37配信

 J-WAVEの東日本大震災復興支援ラジオ番組『Hitachi Systems HEART TO HEART』の一環である公開録音イベント『Hitachi Systems HEART TO HEART@豊洲PIT』が去る10日、東京・豊洲PITでおこなわれ、ナビゲーターを務める音楽プロデューサーの小林武史が登壇、現在までの復興の歩みを振り返りながら、社会とアートとの関わりや震災復興に対する思いなどを語った。

【写真】キーボードを演奏する小林武史

 J-WAVEは開局25周年の節目である2013年に、震災からの復興に寄り添いながら「未来への希望」を「心から心へ伝える」被災地支援プロジェクトとして「HEART TO HEART」を開始。その後、本プロジェクトの趣旨に賛同した日立システムズが文化面からの復興支援活動の一環として2013年8月から番組提供を開始し、震災復興支援ラジオ番組「Hitachi Systems HEART TO HEART」として、首都圏および宮城県を中心とした東北地区で放送を行っている。

 これまで作曲家の千住明、クリエイティブディレクターの箭内道彦、アーティストの日比野克彦らが番組ナビゲートを務めており、本年度は小林がナビゲーターを担当している。この日は、東北復興のために作られた施設である豊洲PIT(Power Into Tohoku)において、東日本大震災と合わせて5月に発生した「平成28年(2016年)熊本地震」の被災地の現状、復興などに向けた思いをナビゲーターとゲストが語り合い、リスナーとともに考えるという趣旨で進められた。

 小林は実際に復興支援を目的に現地に足を運ぶ一方、自身も中心となって、『ap bank』など音楽、アートを通じた活動を活発に展開。7月29~31日には宮城・石巻港雲雀野地区で、小林とともにMr.Childrenの桜井和寿ら豪華アーティストを招きおこなわれたイベント『Reborn-Art Festival × ap bank fes 2016』を開催し、注目を集めている。

 震災から5年経過、現在までの復興の状況を見てきた小林は「最初からは『復興』は大切なことだ、と思いながらことでここまで確かにここまで来たんですが、実際に何度も現場に足を運ぶにつれ、復興とは『元に戻る』ということとは何か違うんじゃないか、と思うようになった」と振り返った。

 その真意として「すごく広いレンジでそれまで響いていたもの、これから未来に対して響いていくもの、そんなものがどこの町でもつながっている。そういうものがまだまだ残っているんです。そういう意味では、単に元に戻るというものでもない。そこはある種、特別な場所だと感じています」と、復興支援により得た様々な出会いにより様々な意識の変化があったことを感慨深く語った。

 一方、復興を通じて感じた、アートが存在する意味に対して「人間の内面みたいなものが、どう自由になるか? 例えば寄り添うこともそうだけど、そういうことができるのはアートの力だと思うんです。そういう心にアプローチしていく仕事というのは、大切なことだと思うし、だからこそアートは特別で、響いていく可能性を持っているものじゃないかと思う」と復興を通じて感じた、自身の仕事と社会とのつながりに対する思いを明かした。

 また、熊本の震災の際にも現地の支援に出向いた小林は、その状況を見ながら「お金とか経済とかだって、完全には当てにならないじゃないですか。だからこそ、このシステムの中で皆生きてはいるけど、そこからはみ出した『人とのつながり』とか『助け合い』というものの大切さみたいなのが、今ここ日本には意識されつつある気がします」と改めて復興に対する自身の意識を確かめるように語った。

 この日はほかに、ピアニストの小山実稚恵やシンガーのSalyu、BRAHMAN/OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDのTOSHI-LOW、ACIDMANの大木伸夫らがゲストとして登場。トークセッションを繰り広げながら、小林はSalyu、TOSHI-LOW、大木らとセッションを披露し観衆を魅了した。(取材・桂 伸也)

最終更新:8/17(水) 15:37

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