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“劇薬FIT”が効かなくなった太陽光市場。外資は生き残れるか

ニュースイッチ 8月17日(水)15時10分配信

日本に根をはらないと撤退が相次ぐ可能性も

 電力会社に太陽光や風力といった再生可能エネルギーで発電した電力の全量買い取りを義務付けた「固定価格買い取り制度(FIT)」が5年目に入った。政府がFITの買い取り価格や制度設計を見直しており、一気に膨らんだ太陽光発電の市場は今後、縮小に向かう。日本に次々に参入した海外勢も、厳しい競争にさらされる。海外市場で需要の激しい浮き沈みを経験してきた海外勢の戦い方から、今後の日本市場の動向も見えてくる。

<メガソーラー需要にブレーキ>

 「“劇薬”と言われた通りだった」。世界大手のカナディアン・ソーラー(カナダ)の日本法人、カナディアン・ソーラー・ジャパン(東京都新宿区)の山本豊社長は、FIT開始からの4年をこう振り返る。太陽光発電の市場を立ち上げたFITの効用は絶大だった。しかし、効き目が薄れると「企業の競争が熾烈(しれつ)になる」と強い副作用も感じている。

 太陽光発電協会によると2015年度の国内出荷量は前年度比22・6%減の713万キロワット。14年度をピークに減少へ転じた。ソーラーブームに火を付けた大規模太陽光発電所(メガソーラー)の需要にブレーキがかかったためだ。

 FITが始まった12年、山本氏は中国サンテックパワーの日本法人トップだった。当時、世界最大だったサンテックは、拡大路線が裏目に出て経営破綻。山本氏は15年末にカナディアン・ソーラーに転じた。日本にしっかりとした事業基盤を根付かせようと、住宅用太陽電池パネル市場の開拓に力を注ぐ。

<「ZEHは縮小した市場に差し込んだ光」>

 消費エネルギーを作ったエネルギーで相殺するゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)を20年に標準化する国の方針があり、住宅用太陽電池パネルの搭載が必須となるからだ。「ZEHは縮小した市場に差し込んだ光」(山本豊カナディアン・ソーラー・ジャパン社長)だ。

 だが、外資にとって住宅市場の開拓は容易ではない。パナソニックや三菱電機など日本勢が工務店や住宅メーカーを押さえており、外資が食い込めていないのが実情だ。

 カナディアン・ソーラーの15年の日本での販売実績は80万キロワット。そのうち住宅用は1割にとどまる。外資トップ級の同社でも、住宅用のシェアは1ケタ台だ。そこで日本勢の牙城を切り崩そうと、新しい価格戦略を打ち出した。

 搭載できる太陽電池パネルの枚数から全体の出力が分かると、価格が決まる太陽光発電システムを発売。架台など周辺機器の選定後でも価格は同じだ。「普通なら太陽光発電の見積もりは、家全体の設計や予算が固まった後。新価格は、早い段階から商談ができる」(同)と手応えを話す。

 メガソーラーが退潮する理由は、FITの買い取り価格の下落だ。発電した電気を電力会社に売電する価格は、1キロワット時当たり24円(消費税抜き、10キロワット以上)。ピーク時から約4割下がった。発電事業者はもうけが少なくなり、投資意欲が冷え込んだ。

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最終更新:8月17日(水)15時10分

ニュースイッチ