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飛び込み一家、視線はもう東京 予選敗退が決まった相模原出身の坂井 リオ五輪・男子板飛び込み

カナロコ by 神奈川新聞 8月17日(水)8時3分配信

 一家の夢を背負った初めての舞台は苦い結果に終わった。15日(日本時間16日)のリオデジャネイロ五輪男子板飛び込みで予選敗退が決まった坂井丞(しょう)選手(23)=相模原市南区出身=は、元トップ選手の両親から英才教育を受け、姉は元選手で現在コーチ、妹は日体大で現役選手という飛び込み一家に生まれ育った。「胸を張ってただいまと言いたかった」と悔やむ坂井選手だが、家族の視線はもう東京に向いている。

 父の弘靖さん(54)はロサンゼルス五輪の予選会で惜しくも代表権を逃した実力の持ち主で、大学から競技を始めた母由美子さん(54)も国体で4位になったアスリート。引退後に神奈川ダイビングクラブでコーチを務めた両親に連れられた3きょうだいは、プールサイドがいい昼寝場所だったという。

 母が基礎を教え、全国大会に出始めると父にバトンタッチ。渕野辺高(現麻布大付高)2年の時に世界選手権に初出場すると、2013年のバルセロナ大会では8位に入賞した。

 父は「プールも戦い、家も戦い」と言った。幼い頃から競技を離れるのは三が日くらいという練習漬けの日々。母が「本人に言わせると24時間、師弟関係のまま。家族だんらんが、いつのまにか試合のビデオを見始めて練習の一環になっちゃう」と話す。

 坂井選手は本当はサッカーがしたかったと冗談めかし、「(飛び込みは)やらされてきた」という。だが、昨年に母がくも膜下出血で、父が十二指腸炎に倒れるなど一時は練習も手に付かない中で五輪の切符をつかんだ息子の思いは違うはずだ。由美子さんは「リオの前くらいかな。自ら行動に移しだしたのは。これまで私たちの期待は感じていたと思うけど、やっぱり自分のために、自分で何とかしないと、という思いでやってきた」。

 4年後の東京五輪が「本番」と期待する両親。今後も二人三脚で指導する弘靖さんは「五輪を経験して、どうやって戦って行くか本人が重々承知している」と厳しく、そして温かく見守るつもりだ。

 1月には坂井選手に長男が誕生した。「力になった。やりたいと言えば、飛び込みをやらせようかな。やりたいことをやらせたい」と思っているが、「東京のときには物心もついていると思うので応援してくれるかな」。強い家族の絆がきっと道を開く。

最終更新:8月17日(水)8時3分

カナロコ by 神奈川新聞