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29年ぶり中学生絵師 27日に「にわか祭」、武者絵の制作進む

北國新聞社 8月17日(水)3時25分配信

 能登町鵜川で27日に行われる「にわか祭」で、呼び物である袖ギリコ「にわか」に武者絵を描く絵師の一人として、29年ぶりに中学生絵師がデビューを飾る。園児の頃から絵と祭りが大好きだった竹口陽平さん(能都中3年)が念願をかなえる。中学2年で絵師となった父太郎さん(42)を目標に、練習を積み重ねてきた成果を祭りで示す。

 にわか祭は約400年続く海瀬神社の祭礼で、にわか9基が巡行する。毎年、9町組のそれぞれの絵師がにわかを彩る勇壮な武者絵を描く。中学生絵師の誕生は、1987(昭和62)年に中学2年で絵師になった太郎さん以来となる。

 竹口さんは小学生の時、祭りで威勢よく練り歩くにわかと、そこに描かれた迫力ある武者絵に目を奪われた。「こんなかっこいい絵を描いてみたい」と思い、小学6年から鵜川公民館の武者絵教室に通い、武者絵を描く練習を始めた。

 昨年は修行の一環として、先輩絵師の指南を受けながら、本物の3分の1の大きさのにわかに武者絵を描いた。約2カ月をかけて制作し、現在は公民館で展示している。今年の祭りでは、これまでの努力が地域でも認められ、絵師デビューが決まった。

 竹口さんが描く馬場組のにわかの準備は7月下旬から始まり、ベテラン絵師の指導や手伝いの下、作業を進めている。絵の題材には、江戸時代末期の浮世絵師歌川国芳が、九尾の狐(きつね)を退治する陰陽師(おんみょうじ)安倍泰成を描いた作品を選んだ。

 下絵を描く作業では、大きな紙の上で、全体のバランスを取ることに苦戦した。下絵を基に墨で染めた障子紙を輪郭に貼っていく作業では、線の強弱や人間らしい曲線になるように意識した。20日頃の完成を目指す。

 公民館によると、現在20~60代の幅広い年代の絵師が活躍している。かつては幼少期から遊びの中で絵を描いて育ち、絵師を志す子どもも多かったが、近年は少なくなっている。竹口さんは「自分で描いた武者絵が、にわかとなって動くところを早く見たい」と話した。

北國新聞社

最終更新:8月17日(水)3時25分

北國新聞社