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水位センサーより低コスト、マンホール蓋の温度変化で下水道の氾濫を検知

スマートジャパン 8月18日(木)15時10分配信

 局所的な豪雨の多発や都市化の進展などとともに、下水道氾濫の被害が甚大化する傾向となってきている。これにより、浸水対策として、下水道管路の増改築や迅速な水位情報の収集が求められている。2015年度に改正・施行された水防法では、地下街などの周辺地域に対し、下水道施設の水位情報を周知する制度が創設された。

 現状では、光ファイバーを用いた下水道管路内の水位測定方式は、測定地点まで専用ケーブルを敷設する必要があり、導入のために多大なコストが掛かる。また、バッテリーを搭載した水位センサーを活用する方式は、頻繁に電池交換を行う必要があり、多大なメンテナンスコストが掛かる課題があった。

●マンホール蓋の温度変化を活用

 これに対して、富士通が新たに開発した下水道氾濫検知ソリューションは、マンホール蓋の温度変化から得られるエネルギーを電力に変換する熱電変換ユニットを用い、水位センサーとセンサーノードに電力を供給する。これにより、標準的な利用条件で約5年という長期間、電池交換のメンテナンスが不要だ。そのため、運用を大幅に効率化できることに加え、電源敷設工事が不要となり導入コストの抑制が見込める。また、熱電変換ユニットは、小型化・高効率化を実現することで、国内で初めてマンホール蓋への直接搭載が可能となった(図1)。

 水位センサーにより収集される水位情報は、マンホール周辺に設置されたゲートウェイを経由してクラウドに転送される。水位センサーは、電源や光ファイバーケーブルの敷設が不要なため、既設のマンホールから測定したい箇所を柔軟に選択でき、導入コストの抑制が見込める。また、水位情報の測定時間の間隔は、天候や測定する箇所の特性に応じて、変更することが可能だ。

 この他、マンホールから下水道管路内の水位情報を定期的にクラウドに収集・蓄積し、水位モニタリング用アプリケーションで地図上にグラフ表示する。自治体の防災担当者は、Webブラウザからインターネット経由で各マンホールの水位情報を確認し、有事の際には、地域住民に対して即座に氾濫情報の通知や被害抑制に向けた事前対応を行うことができる(図2)。

 今回、同ソリューションで用いるハードウェアは、富士通研究所による研究開発および2015年度から行っている福島県郡山市での実証実験をもとに、富士通九州ネットワークテクノロジーズが製品化した。同ソリューションにより、システム導入コストや運用コストを抑制するとともに、下水道氾濫による被害を軽減することに貢献していく方針だ。

最終更新:8月18日(木)15時10分

スマートジャパン