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ほったらかしの確定拠出年金 見直すときの3つのポイント

ZUU online 8月18日(木)18時10分配信

退職までに老後の資産をつくる方法として知られている「確定拠出年金」。入社当時から勤め先の制度としてあったので加入はしているものの、運用先は8年間ずっと変更していない、という30代女性が筆者のもとを訪れました。

女性は、「商品の数が15種類もあって、それぞれの商品説明を全く読む気がせず、元本が減るのはいやなので取りあえず、元本が確保される定期預金のみを選んでいた。けれど、最近新聞やインターネットなどで確定拠出年金のことが載っているのを見て、自分の資産はこのままでいいのか不安になってきた」と相談されました。

今回は30代女性が商品の見直しを考える上で、注意する3つのポイントについてお話しします。

参考:
確定拠出年金とは?→#02 老後資金どうやって準備する?(https://daily-ands.jp/posts/571c2701e6cd221c81da8188 )

■どれくらいの損失までOK? 自分のリスク許容度を見極める

まず自分自身の、リスクに対して耐えることができる力を知ることが大切です。客観的な面からと精神的な面から検証しましょう。

客観的な面とは、収入、支出、家族構成、他の資産額など、数字で見えることから判断するものです。独身でお金を自由に使えて、貯蓄も多くある人ならリスクの大きい商品を選ぶことも可能です。しかし、これから教育費や住居費がかかる、収入や財産が少ないとなれば、リスクの大きな商品は避けなければなりません。

加えて精神的な面から考えることも重要です。例えば、あなたが「1年間で50万円の損失が出た」となったときに、怖くなってすぐ売却しとことん落ち込んでしまうタイプなのか、まだ我慢すれば上がっていくだろうとゆったり構えることができるタイプなのか、自分の許せる損失額やそれに伴う精神的な落ち込み度を知ることです。

リスク許容度の低い人が、値動きの幅が大きい商品を選ぶことは避けたほうが賢明といえます。

■30代は積極性を持ちつつ、手堅い運用を意識しはじめる年代

自分はリスク許容度が低いと判断したからといって、30代で元本確保型のみというのは運用益が非課税となる確定拠出年金では、あまりにも消極的といえます。

確かに元本確保型のみ100%としていれば、途中で解約しないかぎり元本を割ることはありません。しかし、現在の超低金利の時代においては利息がほとんど付かないということになりますし、それに加えいつまでたっても投資経験のないままとなってしまいます。

いくらリスク許容度が低い方でも、30代なら60代までまだ30年ほどあり、時間のメリットを十分受けることができるので、ぜひ積極性を持った運用も考えてほしい年代ですね。

具体的には、国内株式や海外株式、先進国債券などを組み入れ、分散投資を意識してリターンを狙うことです。とはいっても、なかなか投資経験のない方にとっては、何をどう考えればいいのかわかりません。

自分では商品や配分を考えられないという方には、あらかじめ投資先が分散されている「バランス型ファンド」があるので賢く利用したいところです。ただ、バランス型は手数料が高めになっているので注意が必要です。

■運用の見直し方法は、「スイッチング」と「配分変更」

実際に見直しをするには、「スイッチング」と「配分変更」という2つの方法があります。

◆「スイッチング」とは?

現在積み立ててある資産を変更することです。たとえば、定期預金に200万円あったとすれば、その一部の50万円を解約してそのお金で投資信託を購入するといった方法です。ただし、運用商品によっては、購入時、売却時、解約時に手数料がかかることがあります。スイッチングを頻繁に繰り返すと、コスト倒れになる可能性もあるので、注意しましょう。

◆「配分変更」とは?

毎月の掛金の拠出先商品割合を変えることです。現在は定期預金に100%としているものを、定期預金50%、投資信託50%に変更することなどをいいます。たとえば、定期預金に200万円あったとすれば、その200万円は手をつけず、毎月の積み立て分を、時間をかけて変更していくという方法です。スイッチングに比べて即効性では劣りますが、手数料がかからないことは大きなメリットです。

スイッチング、配分変更をするかしないかは別にして、毎年1回は必ず自分の年金資産の状況を把握しておくことが大切です。誕生月は年金資産の見直し月と決めておくといいでしょう。

実際に投資を初めて10年ぐらい経てば市場の大きな流れについて、感覚として学ぶことが出来ます。30代なら老後資金が現実のものとして身近になるまでに、十分経験と勉強が出来ます。せっかく勤務先の制度としてある確定拠出年金です。制度を使って、メリットを享受しながら、賢く老後資金を貯めてもらいたいです。

小野 みゆき
社会保険労務士・CFP・1級DCプランナー。司法書士事務所で不動産・法人・相続登記業務を経験。生命保険・損害保険代理店などを経て2014年にレディゴ社会保険労務士・FP事務所を開業。FP Cafe登録FP。

(提供:DAILY ANDS )

最終更新:9月29日(木)14時23分

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