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動作はより快適だが課題も――Windows 10 Mobileスマホ「Liquid Jade Primo」の有線Continuumを試す

ITmedia Mobile 8月18日(木)10時10分配信

 日本エイサーは8月25日、Windows 10 Mobileスマートフォン「Liquid Jade Primo(JPS58)」を発売する。ダイワボウ情報システム(DIS)を通して主に法人向けに販売するが、DISと取引関係のある一部の家電量販店でも購入できる見通しだ。

【有線Continuumはこんな感じ】

 筆者は、同社のご厚意により、製品版とほぼ同じ仕様のLiquid Jade Primoを試す機会に恵まれた。そこで、有線接続の「Continuum for Phone」(以下「Continuum」)を中心に所感をまとめることにした。購入を検討している人にとって参考になれば幸いだ。

●気軽にContinuumを始められる「デスクトップキット」

 日本向けのJade Primoは「デスクトップキット」を付属して販売する。デスクトップキットの構成品は以下の通り。

・Jade Primo専用ドッキングステーション(専用ACアダプター付き)
・ワイヤレスキーボード(JIS配列)
・ワイヤレスマウス

 専用ドッキングステーションは本体とUSB Type-Cを介して接続する。ドッキングステーションはUSB 3.0端子を1つ、USB 2.0端子を2つ、HDMI端子を1つ備えている。HDMI端子は、この機種の大きな特徴である有線接続のContinuumで利用することになる。なお、ドッキングステーションの各端子を利用するには専用ACアダプターによる給電が必要となる。

 ワイヤレスキーボードとワイヤレスマウスは専用のUSBドングルを使うタイプで、接続先にはヒューマンインタフェースデバイス(HID)として認識される。ドングルはマウスの電池ぶたの部分に収納できるようになっている。電源はキーボードが単4電池2本で、マウスが単3電池1本で、試供品の乾電池を付属している。

 あとはHDMIケーブルを別途用意すれば、自宅のテレビやPC用モニターですぐにContinuumを始められる。Continuumのメリットをすぐに体感できるという観点では、デスクトップキットを付属したことは間違いなく「正解」だ。

●本体の付属品は必要十分 SIMトレイは「デュアル」 

 本体キットには、ACアダプター、USBケーブル(USB 3.0 Type A to Type-C)、イヤフォンマイク、イヤフォン用のイヤピース、フリップカバー、SIMピン、書類(簡易説明書、保証書など)を付属する。

 ACアダプターはドッキングステーション用のそれとは異なるもので、USBケーブルを接続して利用する。フリップカバーには磁石が仕込まれており、それと連動したスリープ・スリープ解除に対応している。

 デスクトップキットもそうだが、別途オプション品を買わなくても便利に使えるように配慮がなされている。付属品は全てのユーザーに必要なものとは限らないが、それでも無いよりあった方がいいだろう。

 Jade Primoの本体は、nanoSIMを2枚同時に搭載できる「デュアルSIM」仕様だ。SIMスロットは付属のSIMピンを取り出す方式で、スロット2はmicroSDXCとの“排他”となる。nanoSIMを2枚搭載した場合は、どちらか片方のスロットのみLTE/3G(W-CDMA)での待ち受けが可能だ。もう片方のスロットはGSMの音声通話とSMSの待ち受けにのみ対応する(国内では利用不可)。LTE/3Gを待ち受けるスロットは、端末設定から変更できる。

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●有線接続のContinuumは非常に快適 しかし……

 Jade Primoは、日本向けのWindows 10 Mobileスマホとしては事実上初めて有線接続のContinuumに対応する。本体のUSB Type-C端子がDisplayPort出力を兼ねており、付属のドッキングステーションか、出力先に合わせた変換アダプターを介して映像出力すると利用できる。今回はドッキングステーションのHDMI出力を経由して利用した。

 Miracast(無線)を使ったContinuumの場合、Continuumアプリを自分で起動してセットアップを開始するが、有線接続の場合は映像出力を開始する際に自動的にアプリが起動してセットアップを行える。

 MiracastのContinuumでは、環境によっては画面描画の遅延や乱れ(ブロックノイズ)が発生することがある。しかし、有線接続にするとこれらが発生することはめったになくなる。マウスポインターが意の通りに動くのはこんなに快適なのか、と思うほどだ。Microsoft EdgeでのWebブラウジングも、プリインストールの「Microsoft Office」のアプリ群での作業も、PC版に近いユーザーインタフェース(UI)で快適に操作することができる。

 非常に心地よく使える有線接続のConinuumだが、見た目がほぼPC版のWindows 10と変わらないゆえに、細かい部分での違いが気になってくる。

 まず、複数のウィンドウを同時に表示することができない点だ。イメージ的には常にウィンドウを最大化している感じとなる。ウィンドウを複数同時に開いてアプリを行き来する、という使い方をする人にとっては不便を感じてしまうだろう。また、Alt+Tabキーを使ってタスクの切り替えをする際も、PC版のWindows 10とは画面の遷移エフェクトが若干異なるため、PC版に慣れているほど違和感を強く覚える可能性が高い。

 これらの点は、今後の大型アップデートなどでぜひとも改善してもらいたい。

 また、標準ブラウザである「Microsoft Edge」においても機能差分がある。Windows 10 Mobile版のEdgeでは「Adobe Flash」に対応していないのだ。最近ではFlashを活用するサイト・サービスもかなり減ったが、ゼロになったわけではない。「同じEdgeだから……」と期待すると若干ガッカリするかもしれない。

 Adobeの動向も含めて考えると、この問題についてはサイト・サービス側でFlash(プラグイン)に依存しないように改修を加える方が解決法としては現実的だ。時間が解決してくれるといいのだが……。

●まとめ:何をやってもサクサクで不満なし アプリとOSの使い勝手の改善に課題

 今まで日本で発売されてきたWindows 10 Mobileスマホは、全てエントリーモデルかミドルレンジモデルだった。「ハイスペック」をうたうものでも、「ミドルハイ(中の上)」用途のプロセッサを搭載してきた。

 プロセッサにハイエンド向けの「Snapdragon 808」を搭載するLiquid Jade Primoは、名実ともに事実上国内初のハイスペックWindows 10 Mobileスマホだ。エントリーモデルでもシステムメモリとストレージ容量さえあれば軽快なWindows 10 Mobileだが、Jade Primoは今までとは“別次元”の快適さを実現している。有機ELディスプレイの発色も良好で、屋外でも輝度さえ上げれば問題なく使える。Miracast経由だと環境によっては動作が不安定だったContinuumも、有線接続であれば非常に安定して使える。

 一方で、過去のWindows 10 Mobileスマホのレビューでも触れたが、OS自体の使い勝手(特にContinuum回り)とアプリの充実が課題だ。これは日本エイサー、あるいは親会社である台湾Acerの一存では解決できない課題だ。「またこの結びか」と思われるかもしれないが、Microsoft(あるいは日本法人である日本マイクロソフト)のさらなる頑張りを期待したい。

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最終更新:8月18日(木)10時10分

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