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[時論]金正恩体制の亀裂露呈 北朝鮮エリート外交官の韓国亡命

聯合ニュース 8/18(木) 17:45配信

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮エリート層の亡命・脱北が相次ぎ、金正恩(キム・ジョンウン)体制の不安定さが浮き彫りになっている。

 韓国統一部は17日、在英国北朝鮮大使館のナンバー2、テ・ヨンホ公使が妻や子どもと共に亡命し、先ごろ韓国入りしたと発表した。

 北朝鮮で最高権力層クラスの身分を持つテ氏は、英国で北朝鮮の体制宣伝を担当していた。在デンマーク大使館書記官、欧州連合(EU)担当課長、外務省欧州局長代理などを歴任した、北朝鮮外務省を代表する欧州通のエリート外交官だ。英国では約10年勤務したが、本国に呼び戻されるのを前に、先月半ばごろ亡命を決行したとされる。

 体制を宣伝する側だったテ氏の亡命は、北朝鮮政権に大きな衝撃を与えたに違いない。統一部によると、テ氏は亡命の動機について「金正恩体制への嫌気、韓国の自由民主主義体制に対するあこがれ、子どもや将来の問題」などを挙げたという。

 北朝鮮による今年初めの4回目核実験と事実上の長距離弾道ミサイル発射を受け、国連安全保障理事会が3月に強力な制裁決議を採択して以降、経済・外交面で国際社会の圧力が強まり、各国の北朝鮮外交官は活動を大きく制約されている。こうした状況で本国から外貨稼ぎなどで厳しいノルマを課せられ、動揺が広がっているようだ。

 北朝鮮エリート層の脱北は、今年に入り目立っている。先月16日には香港で開かれた国際数学オリンピックに参加していた18歳の男子生徒が現地の韓国総領事館に逃げこみ、亡命を申請した。4月には中国にある北朝鮮レストランから女性従業員ら13人が集団で脱出し、韓国入りした。昨年には対韓国工作を総括する北朝鮮偵察総局の大佐が韓国行きを選択した。

 外交官や軍幹部、海外の北朝鮮レストラン従業員らは、いずれも一定以上の身分を持つ中流層や特権階層で、金正恩体制を支える主軸といえる。こうしたエリートたちの相次ぐ亡命は、金党委員長の統治基盤が盤石でないことを示している。エリート層の間で体制への絶望感が広がり、支配層の結束が緩んでいるとも読める。

 北朝鮮は4月にレストラン従業員の集団脱出が起きて以降、住民や海外派遣労働者に対する思想教育を大幅に強化するなど、体制固めに躍起になっているが、その効果は未知数だ。スマートフォンや市場の広がりで住民の情報統制が限界に達しているなか、力で抑え込もうとすればするほど内部の亀裂は深まり、より良い暮らしを求めて北朝鮮から逃げ出す動きは強まるだろう。実際、統一部の統計によると、1~7月に韓国入りした脱北者は815人と、前年同期に比べ15.6%増加した。

 韓国政府は北朝鮮内部の動向を注視すると同時に、新たな人生を夢見る北朝鮮住民が無事に国内外に定着できるよう、あらゆる外交努力を傾けるべきだ。脱北者の人権や身辺の保護にはとりわけ配慮してほしい。

最終更新:8/18(木) 17:47

聯合ニュース

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