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熊本地震から4カ月、復旧から復興へ-地域産業、補助金や「ふっこう割」で盛り返し

日刊工業新聞電子版 8月18日(木)12時31分配信

 熊本地震から4カ月が過ぎ、被災地を中心に九州では復興へ向けた取り組みが進む。熊本県では補助金の活用に関する動きが活発で、事業展開に積極的な企業が出てきた。九州一円に風評被害が広がった観光業界では旅行費用への助成をテコにした集客に効果が出ている。(熊本支局長・勝谷聡、大分支局長・広木竜彦、西部・増重直樹)

立ち直る中小企業 再建・回帰・増設進む

 熊本県内の産業界では「中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業(グループ補助金)に対する取り組みが活発だ。小野泰輔熊本県副知事は復興のカギを「熊本を長期にわたって支援する流れや意識を絶やさないこと」と指摘する。

 熊本県によるとグループ補助金の1次募集では113グループ1742件の中小企業や小規模事業者が応募した。奧薗惣幸商工観光労働部長は「立ち直ろうとする意欲やニーズが明確に現れている」と手応えを感じる。

 グループ補助金の救済対象をどこまで拡大するか。これは誘致企業の流出を防ぐことにも大きく関わる。熊本県工業連合会は「(実質的に大企業傘下にある)“みなし大企業”は地場企業との取引が多くビジネスに直結する。今後、誘致企業も支援の必要がある」(小野上典明事務局長)とする。

 熊本県は8日、グループ補助金の2次募集を発表し、新たに“みなし大企業”などを対象とした。申請書類の簡素化も図る。公募要領は29日にも公表する。奧薗部長は「生産や取引を元に戻すには、付加価値を付けるといった高いハードルに向けた努力が必要」と指摘する。

 企業も事業活動を加速する。平田機工は創業の地である熊本に本社を移した。「真の熊本企業として熊本県民とともに苦難を乗り越えたい」(平田雄一郎社長)と強調する。熊本大学と包括的連携協定を結び、「異分野の連携による新産業創出に取り組む」(同)という。

 堀場エステック(京都市南区)も熊本県西原村にある工場の大幅な増設を発表した。経営コンサルタント大手のビジネスブレイン太田昭和は熊本県内への本社機能の移転を進めている。

 自治体も復興を急ぐ。熊本市は9月末をめどとする震災復興計画策定の準備を進める。計画の重点プロジェクトの一つでは、熊本城の復旧過程の公開を観光資源とする方針。熊本城は現在、「飯田丸五階櫓(やぐら)」の復旧工事が進む。市の担当者は「年内をめどに基本方針を定め、2017年度までに『熊本城復旧基本計画』を策定する」という。

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最終更新:8月18日(木)12時31分

日刊工業新聞電子版