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ローソンはなぜ競合に勝てないのか?

ニュースソクラ 8/18(木) 12:30配信

「地元」関西でも失ったローソンのブランド力

 かつて中内功氏率いるダイエーの金城湯池だった関西で、そのダイエー系列だったローソンが次々とセブン-イレブンやファミリーマートとの競合に敗れるという事態が続出している。 神戸市東灘区では30年来の老舗のローソンが、相次いでセブン-イレブンに鞍替えするという事態が起き、地元住民にも衝撃を与えている。しかも、ローソンの跡地に建ったセブン-イレブンは、「セブンカフェコーナーなども充実しているし、接客も良い」と好評なのだ。

 元ローソンオーナーによると、「ローソンは弁当開発などをしても後の工夫がない」 と嘆く。例えば冷やし中華を例に取ると、セブン-イレブンは客にもわからないように、徐々に季節や年月が変わるごとに味を微妙に変化させるというような工夫を行っている。

 コンビニの「トイレ開放宣言」をローソンは90年代半ばに行い「トイレを貸してくれないお店はお客様から嫌われる」と接客マニュアルにも書いていたが、その後の工夫が見られない。例えば、セブン-イレブンは本部が補助金を出してまでウォシュレット付きトイレに改装したりするのだが、ローソンは昔の古く汚い和式のトイレのままというところも少なくない。

 ローソンオーナーたちの証言をまとめると、

 「2003に就任した新浪剛史社長が現場の声を聞くと称して始めた『オーナーズミーティング』が逆効果だった。オーナーとの対話はパフォーマンスに過ぎず、新浪社長は加盟店の実情をよく理解できなかった。それが証拠に『商品は見た目で勝負』などというおかしな指令が本部から来ることがあった。その結果、新浪社長時代業績は伸びなかった」   

 新浪氏後継の玉塚元一会長も目ぼしい成果を上げることもなく会長職に退き、後任社長には新浪氏と同じく三菱商事出身の竹増貞信氏が社長に就任したが、オーナーたちはその手腕に懐疑的だ。コンビニ業界事情をよく知る関西のベテランオーナーはこう話す。

 「三菱商事って小売りとは接点が薄いから、コンビニ経営に弱いんとちゃうか? ファミリーマートの上田準二会長なんか伊藤忠商事出身やろ。伊藤忠の方が、ファミマとサークルKサンクスの統合を主導したり、イトーヨーカ堂と米サウスランド社とのセブン-イレブン業務提携を仲介したりした経歴なんかから、小売りとの接点が深いやろ。だから、伊藤忠出身者はコンビニ経営もわかってる。ファミマの弁当の味も大分よくなっとうしな」

というのだ。

 伊藤忠と三菱商事と言えばどちらも日本を代表する商事会社だが、表面的なブランドではわからない姿である。

  セブン-イレブンほど抑圧的な社風ではないファミリーマートには、セブン-イレブンからの転職組がセブン時代に発揮できなかったアイディアを次々と打ち出して、活躍しているという情報もある。こういう面でもローソンは後れを取っているように思える。

 10年前、人気ブレイク渦中だったボクサー亀田興毅氏が自著『エグいほど強いで!!』で「コンビニ言うたらローソン以外のコンビニもローソン言うてまうやんか」と述懐していたが、それが当時の関西人のコンビニ対する認識だった。

 いまのローソンにそう感じる人は関西でも少ない。ファミリーマートとサークルKサンクスの統合で、ローソンは店舗数で3位に転落するが、ブランド力、顧客からの信頼感は順位以上の落ち込んでいると言えるだろう。

■角田 裕育(ジャーナリスト)
1978年神戸市生まれ。大阪のコミュニティ紙記者を経て、2001年からフリー。労働問題・教育問題を得手としている。著書に『セブン-イレブンの真実』(日新報道)『教育委員会の真実』など。

最終更新:8/18(木) 12:30

ニュースソクラ