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綿貫陽介がU18制覇、「やっと日本で1番になれた」 [全日本ジュニアテニス]

THE TENNIS DAILY 8月18日(木)8時30分配信

「DUNLOP SRIXON 全日本ジュニアテニス選手権 '16 supported by NISSHINBO」(大阪府・靱テニスセンター、江坂テニスセンター/8月8~17日/ハードコート)は最終日、大阪府・靱テニスセンターにてU18の単複決勝が行われた。

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 男子シングルスは第1シードの綿貫陽介(関東/グローバルプロTA)が第4シードの清水悠太(関西/西宮甲英高)を6-3 6-3で破り、全日本ジュニア初タイトルを手にした。木元風哉(関東/グローバルプロTA)と組んだダブルスは決勝で敗れて二冠ならず。第4シードの住澤大輔/野口莉央(関東:Val/湘南工科大学附高)が6-3 5-7[10-7]、最後はスーパータイブレークで振り切った。

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 決勝で敗れ、兄とともに号泣した日から1年。2位やベスト4なら何度も経験している綿貫が、悲願の“全日本タイトル“をついに手にした。

「自分には全国のタイトルがない。年代別でもなんでも、とにかく1番をとりたい」

 2年くらい前に聞いた綿貫の思いはその後もまったくブレることなく今に至っていた。グランドスラム・ジュニアの常連選手になって世界のジュニアランキングでトップ10に入ろうが、すでにプロ登録をしていようが、この大会への思い入れは変わらず強かった。

「これを獲ってなくて、どこが一番だよって思っていました」

 モチベーションは誰にも負けなくても、それが過度の緊張につながるというのはありがちなことで、実際、「もう今年が最後のチャンスだと思うと、体中の震えが止まらなかった」ほどだという。

 いきなり綿貫のブレークで始まったが、すぐにブレークバックを許す。2-2からも互いにブレークで3-3。左利きの清水は深くコントロールしたボールで相手を振り回し、バックハンドのアングルはよく効いていた。

 しかしリーチのある綿貫には、少し甘い球に対しては高い打点から引っ叩いてウィナーを取る力があった。3-3から3ゲームを連取、最後はラブゲークでのブレークで綿貫が第1セットを6-3で奪った。

 清水も食い下がった。第2セットは綿貫が3-0と序盤でリードを広げるが、清水が3ゲームを挽回する。カギになったのは第8ゲームの清水のサーブ。40-15から綿貫は追いつき、2度のデュースのあとブレークに成功した。最後はラブゲームのサービスキープ。初優勝へ、迷うことなく一気に締めくくった。

 清水は「少しは(綿貫が)固くなると思ってたので、自分がもっと思い切って攻めていければよかった」と悔やんだ。しかし、1回戦から心がけてきた「下っ端精神」で乗り越えた綿貫がやはりうわてだったのだろう。

 それにしても、あれだけ欲しかったタイトルを手にした瞬間にしては、淡々としたリアクションだった。

「終わったときには、次のダブルスのことを考えていました。小さいときから組んでる木元といっしょにもう一つ日本一を獲りたかった、というか、木元に獲らせたかったので」

 そんな思いで臨んだダブルスだったが、タイトルには手が届かなかった。最高の締めくくりとはいかなかったが、少なくともシングルスでプレッシャーを克服して目標を達成できたという自信を得た。日本のジュニア・ナンバーワンという確かな称号を手にした18歳の次の目標は、グランドスラム・ジュニアでも一番になることだ。全米オープンがそれを達成する最後のチャンスになる。

「切羽詰まってるので、正直ちょっと焦ってますけど、獲りたいですねえ」としみじみと言った。大事な通過点を抑えた成果は、次の舞台でどう出るか。

(テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美)

最終更新:8月18日(木)8時30分

THE TENNIS DAILY