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江戸っ子も愛した「蕎麦屋」の粋なメニューとは?

TOKYO FM+ 8/18(木) 12:00配信

「夏バテで食欲がない」「夏風邪で体調が悪い」――夏はいろいろと体調をくずしがちですが、そんなときでも、のど越しも良く食べられるのが「麺」ですよね。日本人は、昔から麺が大好き! 日本の麺といえば、江戸時代のシンプルな蕎麦というイメージが強いかもしれませんが、実は江戸っ子は、うどんも蕎麦と同じくらい食べていて、素麺だって夏も冬も食べていたそうです。今回は、そんな麺好きの江戸っ子も愛した、江戸の「お蕎麦屋さんのメニュー」のお話です。

夏といえば冷たい蕎麦。
江戸っ子にとっても、お蕎麦は大事なファストフードでした。
今回は当時の蕎麦屋に、どんなメニューがあったのかについてのお話です。

江戸後期の生活風俗を記した「守貞漫稿」という文献にお蕎麦屋さんのメニューが載っています。
盛り蕎麦や天ぷら蕎麦など、現代でもおなじみのお蕎麦はもちろんあるのですが、中には、あまり聞きなじみのないものも。

たとえば、「あられそば」。
どんなレシピかというと、こんな感じ。
温めた蕎麦の上に海苔を敷き、青柳の白い貝柱を海苔の上に散らします。
熱いだし汁をかけ、三つ葉を添えて出来上がり。
あられの降りそうな寒い夜に食べたい蕎麦ということで、この名前が付いたそうです。

次に、「しっぽくそば」。
卵焼き、蒲鉾(かまぼこ)、椎茸、鶏肉をのせた豪華なものです。
「しっぽく」とは「大皿」と言う意味で、その名のとおり、どんぶりではなく大皿に乗せられて出てくることが多かったよう。

最後に「花巻そば」。
「花」を「巻く」と書いて「はなまきそば」……。
「浅草のり」を焼いて揉んだ後、その海苔を桜などの花びらに見立てて、かけそばに乗せたものです。
花が舞っているように見えるので、この名前。
さすが江戸っ子、洒落てるものです。

有名な落語「時そば」にはこんなシーンが出てきます。
「そば屋。なにができるんだい?」
「へい、できますものは花巻にしっぽくでございます」
「おう、しっぽく、一つ熱くしてくれい」

江戸の蕎麦屋のメニューを知るだけで、なんだか粋になった気がしますね。

(TOKYO FMの番組「シンクロのシティ」2016年8月17日放送より)

文/岡本清香

最終更新:8/18(木) 12:00

TOKYO FM+