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世界最小宇宙ロケット、経産省とJAXAの協力で開発中

sorae.jp 8月18日(木)18時32分配信

既に伝えた宇宙航空研究開発機構(JAXA)の超小型衛星打ち上げロケット開発について、JAXAへの取材を基に、開発の経緯や今後についてより詳しく解説する。

このSS-520ロケット4号機は、JAXAのこれまでの計画などに記載がなく、2016年5月27日に開催された文部科学省の宇宙開発利用部会、調査・安全小委員会で初めて存在が明らかになった。この小委員会の審査も、ロケット打ち上げのたびに安全性を審査する趣旨のもので、開発計画の審査ではないため計画の位置づけなどの説明はなかった。

文部科学省が進めてきたJAXAのロケット開発

JAXAはもともと旧文部省と旧科学技術省が進めてきた宇宙関係機関を統合してできた組織なので、ロケット開発をはじめとして多くのプロジェクトが現在も文部科学省の予算で行われている。JAXAのロケットのうち、H-IIAロケットなど衛星打ち上げ用ロケットは筑波宇宙センターの第一宇宙技術部門が、高層大気の観測などに使われる観測ロケットは相模原の宇宙科学研究所(ISAS)が担当している。かつては、固体推進剤で衛星を打ち上げるロケットはISASが開発運用してきたが、最新のイプシロンロケットからは第一宇宙技術部門に移管された。

このように、実用宇宙ロケットは筑波、科学研究用の観測ロケットは相模原というのが現在のJAXAの体制で、いずれも文部科学省の予算が主体なのだが、今回の超小型衛星打ち上げは文部科学省ではなく経済産業省の計画だった。

空中発射ロケットを検討していた経済産業省

経済産業省にはJAXAとは別に、宇宙システム開発利用推進機構(JSS)という財団法人がある。JSSはJAXAと違って自分で研究機関を持っているのではなく、企業や他の政府機関に費用を出して研究開発をしてもらう役割を果たしており、これまでも技術試験衛星の開発などで日本の宇宙産業を育成してきた。

実はJSSは以前から、超小型宇宙ロケットを航空機から空中発射する検討を盛んに行っているのだが、この方式は諸外国でも実用例が少なく、過去に行っていたアメリカの企業も地上発射に切り替えるなど、必ずしもうまくいっていない。そのためか、これまでのような検討ではなく実際の開発を目指した2015年の公募では「桁違いの低コスト化につながる研究開発」とだけ書かれており、空中発射に限定していなかった。この公募に、JAXAはSS-520による衛星打ち上げで応募し、採択されたということだ。なおこの公募には、民間で超小型宇宙ロケットの開発を進めているインターステラテクノロジズ社も採択されている。

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最終更新:8月18日(木)18時32分

sorae.jp