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最低賃金に満たない韓国の労働者、来年は300万人に

ハンギョレ新聞 8月18日(木)21時38分配信

未順守企業に対する軽い処罰…摘発件数は毎年減少 最低賃金が上がっても平均賃金が上がらないのもこのため

 最低賃金に満たない労働者数が来年は300万人を超えるものと分析された。これは最低賃金を支給しない会社に対する摘発と処罰が適正に行われていないためであることが分かった。勤労監督の強化など、最低賃金の実効性を高めるための対策が求められると指摘される。

 16日、韓国銀行調査局が金融通貨委員会に報告した分析報告書によると、国内の最低賃金は2008年から2013年まで年平均5.7%上昇し、2014∼2017年には7.4%に上昇率が高まった。今年の最低賃金の引き上げ率は8.1%で、来年の最低賃金は時間当たり6470ウォン(592円)に7.3%上昇した。時間当たりの平均賃金に対する最低賃金の比率は2010年の40.2%から2016年の46.5%に、やや高くなった。

 しかし、韓銀は最低賃金に満たない労働者数が今年は280万人に増え、来年は11.8%増える313万人に達すると推計した。全労働者のうち最低賃金に満たない労働者の比率は2010年の12.4%から今年は14.6%に、来年は16.3%に拡大する見込みだ。全労働者のおよそ6人のうち1人は法で定めた最低賃金にもならない水準の賃金を受けることになる。

 韓銀は来年の賃金上昇率の展望値(3.5%)を利用し、来年の賃金労働者の時間当たりの賃金や労働者数分布を推定し、最低賃金未満の労働者数を計算した。業種別(2016年基準)では、農林魚業で最低賃金に満たない労働者が最も多く、飲食宿泊業、芸術・余暇、事業への支援、不動産賃貸、卸・小売、製造業などの順となった。企業規模別では従事者数10人未満の零細企業が最も多かった。

 最低賃金に満たない賃金の労働者が多い理由は、最低賃金法に広範囲な例外条項があるだけでなく、勤労監督においても経営者の経営困難などを考慮し、監督と処罰が軽く行われているためだ。

 こうした状況にあって摘発件数は毎年減りつつある。2013年の最低賃金違反摘発件数は6081件だったが、2014年には1645件に激減し、昨年は1502件にまで減った。最低賃金制を違反すれば3年以下の懲役や2000万ウォン(183万円)以下の罰金刑に処するようになっているが、法規違反を摘発した件数は毎年減り、最低賃金を順守させるメリットは少なくなっている。

 韓銀はこのため、最低賃金の引き上げが全労働者の全般的な賃金上昇を誘発する可能性が大きくないと評価した。平均賃金と最低賃金間の相関関係の分析でも相関係数が0.2に過ぎず、意味のある相関性がないことが分かった。

 韓銀は「勤労監督強化を通じて最低賃金の順守率を高め、中長期的には業種別の最低賃金の差別化など最低賃金制度の実効性を高める方策を模索する必要がある」と指摘した。

ユ・ソンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:8月18日(木)21時38分

ハンギョレ新聞