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[ニュース分析]ミスに恣意的引用まで…都合よく国際統計を活用する韓国政府

ハンギョレ新聞 8/18(木) 17:31配信

企画財政部のOECD政府債務比率統計の様々な活用法 韓国の債務比率は低く、国際比較値は高く

 企画財政部が韓国の財政健全性の比較基準として、経済協力開発機構(OECD)加盟国の「平均債務比率」ではなく「全体債務比率」を使用したのは、単なるミスだとしても、大きな波紋を呼ぶものと見られる。財政健全性を過度に高く評価し、無理な財政運用につながりかねないからだ。

 OECDを一つの国家と仮定して算出した全体債務比率は、債務が多い一部国家の変化に大きく影響される。実際に、2008年の金融危機以降、OECD政府債務比率は平均値や全体値ともに上昇したが、その増加幅は明らかに異なる。加盟国の平均比率は2007年の55.8%から2015年には88.3%に32.%ポイント上昇したが、同じ期間、OECD全体の債務比率は74.5%から115.5%に41.0%ポイントも跳ね上がった。これは、加盟国のうち政府債務が多い日本や米国、英国、フランスなどを中心に、政府債務が大きく増えたからだ。実際に、日本と米国は、当該期間に債務比率がそれぞれ67.6%ポイント、48.7%ポイントも上昇した。明智大学のウ・ソクジン教授(経済学)は「通商、国際機構の統計を比較基準として使うのは、個別の国家の財政運用状態を自国と比較するため」としたうえで、「この点からすると、財政運用戦略を立てる際に基本指標とする国家債務比率も、OECD(全体値ではなく)平均値が比較基準として適切である」と指摘した。

 企画財政部が財政統計と関連し、OECD指標を恣意的に活用した例もある。企画財政部はOECDの平均債務比率を言及する際に、OECDの「世界経済見通し報告書」http://www.oecd.org/eco/economicoutlook.htmに掲載された指標を使っているが、毎月発刊する「財政動向」など、各国家別の債務比率を紹介する場合には、OECDが集めた「国民経済計算」(SNA)を引用する。国民経済計算には各加盟国が報告した情報がそのまま掲載されるが、世界経済見通しは、各国が提示した情報にOECD事務局が自ら把握した情報をもとに再加工した指標が盛り込まれる点が異なる。

 興味深いのは、国民経済計算と世界経済見通しに載せられた韓国の債務比率に大きな差があることだ。国民経済計算を基準とした韓国の政府債務比率は、2014年の場合41.8%であるが、世界経済見通しでは43.7%となっている。結果的に企画財政部は韓国の政府債務比率は数値がより低い国民経済計算を引用しながらも、比較基準は世界経済見通しを活用しているのだ。

 韓国政府とは異なり、OECDが国別の政府債務を比較する際に公式的に採択する最初の基準は、世界経済見通しでも、国民経済計算でもない。OECDが投資者など、一般人でも簡単に見られるように作った別の統計サイト(dara.oecd.org)では、毎年OECDが発刊する「一目で見る政府」(Government at a glance)の報告書を基準に、国別の政務比率を紹介している。この報告書における韓国の2014年政府債務比率は43.7%で、OECD平均債務比率は86.5%だ。韓国政府は、OECDが代表的に活用する政府債務比率を比較した統計を国内では紹介せず、政府資料でも引用していない。

キム・ギョンラク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:8/19(金) 11:45

ハンギョレ新聞