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大学院大予算 沖縄県、沖縄関係とは別枠で要請

沖縄タイムス 8/18(木) 7:25配信

 沖縄県は2017年度予算案の概算要求に向けた国庫要請で、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の関係予算を、沖縄関係予算とは別枠で確保するよう政府に要請した。国と県が目指す「世界最高水準の研究機関」の実現に向け、幅広い研究分野に対応できる教員数の確保と、研究棟(ラボラトリー)の整備で大規模な予算措置が必要になるからだ。過去11年間でOISTに投じられた予算総額は1571億円。OISTは研究結果の商品開発などで「県経済の発展」につなげることを重視し、特許の出願増に力を入れている。(政経部・大城志織)

 沖縄科学技術大学院大学学園法に基づく設立目的は「世界最高水準の科学技術に関する研究および教育を実施することにより、沖縄の自立的発展と世界の科学技術の向上に寄与する」ことだ。

 OISTは自然科学分野の研究成果を特許として出願する戦略を重視している。05年以降の出願件数は計142件。15年は62件で、14年の34件から倍増した。県の科学技術振興課は「研究者が事業化を見据えた視点を強化している」と説明する。

 15年1月、OISTは「沖縄の自立的発展首席副学長室」を設置し、バックマン首席副学長が担当に就任。知的財産の管理や特許の権利化に携わる「技術移転」と、企業とのライセンス契約や起業化を担う「事業開発」の二つの部門を一体的に管轄する。OIST発の技術を企業が生かせるよう体制を強化し、研究の実用化に力を入れている。県は今後も出願数は顕著に伸びるだろうと推測する。

 一方で、県は「教員の少なさ」を課題に挙げている。県によると、OISTの教員は51人(15年度)。「教員が増えると、研究成果もさらに多く出てくるだろう」(担当課)と話す。OISTも23年までに教員を約100人まで倍増する計画を立てている。

 教員の増加には、それを受け入れるラボの数も重要になる。OISTは14年7月に発表した10~30年後の中長期計画で、現在ある3棟から5棟への拡充を掲げる。昨年に第4棟の設計を終え、来年度予算として建設費を要求する方針。18年度の完成を目指す。

 産学連携の強化も課題だ。14年6月にOIST発のベンチャー第1号企業が誕生したが、後に続く企業は出てきていない。

 ことし8月にはOISTと県水産海洋技術センターがオキナワモズクのゲノム(全遺伝情報)解読に初めて成功。優良品種の新たな開発につなげられるか、研究成果の技術移転が問われる。

 県もOISTとの連携協定を12年に締結し、16年度は4件の共同研究を進めている。県の担当者はOISTの研究成果が蓄積してきていることを念頭に「県内企業と連携し、OISTの持つ技術の活用を進めたい」と強調した。

最終更新:10/17(月) 12:30

沖縄タイムス

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