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アウディ、サスペンションでエネルギーを回生する「eROT」を開発

オートックワン 8月18日(木)16時14分配信

未来の自動車はサスペンションを含めて、エネルギーの回生がますます重要な役割を果たすようになる。アウディは従来の油圧式ダンパーの代わりに、エレクトロメカニカルロータリーダンパーを採用することで、乗り心地もさらに改善する「eROTシステム」のプロトタイプ製作に取り組んでいる。

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アウディAG技術開発担当取締役 シュテファン クニウシュ氏は、eROTの作動原理について次のように説明した。「クルマが窪みや突起を超えたりカーブを走ったりすると、そこに慣性エネルギーが発生します。従来はダンパーでエネルギーを吸収し、そのエネルギーは熱として失われてきました。48ボルトの電源システムとエレクトロメカニカルダンパーのシステムを組み合わせることで、我々はこのエネルギーを活用します。この技術により、サスペンションの特性を自由に制御する、まったく新しい技術の可能性も拓けることになります。」

eROTシステムは反応が速く、慣性も最小に抑えられる。このシステムはアクティブ制御するサスペンションとして、路面の凹凸やドライバーの運転スタイルに理想的に対応する。ソフトウェアによるほぼ自由に設定可能なダンパー特性で、システムとしての機能の幅が広がる。

また、従来の油圧ダンパーでは難しかった伸び側と縮み側のストロークを独立して設定することもでき、例えば伸び側の減衰力は硬めに設定しつつ、乗り心地への影響が大きい縮み側のストロークについては、よりソフトに設定することが可能になる。

この新しいダンパーシステムのもうひとつの利点は、配置の自由度の高さ。リアサスペンションに採用した場合、伸縮式ショックアブソーバーを垂直に配置する従来のシステムに対し、電気モーターを水平に配置することで、ラゲージコンパートメントの容量を増やすことができる。

eROTには、ダンパー特性の自由なプログラム制御のほかに、サスペンションが上下動するときの慣性エネルギーを電力に変換する重要な機能がある。この場合、まずレバーアームがホイールキャリアの動きを吸収し、そしてレバーアームから、複数のギアを介してその力を電気モーターに伝えることにより電力に変換する。

ドイツで行われた公道テストでは、舗装状態の良い高速道路で3ワットを回生することができた。一般のドライバーが運転した場合、CO2排出量が1km走行あたり最大3g削減される計算になる。

新しいeROTテクノロジーは、48ボルトの高圧電源システムを前提にしており、現在実験中のクルマは、エネルギー容量0.5kWh、最高出力13kWのリチウムイオンバッテリーを搭載している。DCコンバーターにより、48ボルトのサブ電源システムを、高効率・高出力のジェネレーターを含む12ボルトの主電源システムに接続している。

eROTシステムは、現時点で非常に有望なテスト結果が得られており、将来のアウディに採用される可能性が高まっている。そのためには、アウディの電動化戦略の中核的なテクノロジーである48ボルト電源システムの実用化が不可欠となる。

2017年に市場導入が予定されているアウディの次世代モデルでは、48ボルトシステムが主要な電源システムとなる予定で、それにより、高性能なマイルドハイブリッド ドライブシステムが実現し、その結果、100km走行あたり最大0.7リッターの燃料消費量削減が期待されている。

最終更新:8月18日(木)16時14分

オートックワン