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CoCo利払い、配当やボーナスより優先義務付けも-欧州委が提案

Bloomberg 8月18日(木)7時48分配信

欧州の銀行が発行した偶発転換社債(通称CoCo)など「その他ティア1債」(AT1債)のクーポンについて、株式配当やバンカーのボーナスよりも支払いを優先するよう金融機関に義務付け、AT1債の投資家保護を強化する選択肢が、欧州連合(EU)当局者の間で検討されている。

EUの行政執行機関である欧州委員会は、加盟国の専門家会合のために準備した最新の討議資料で、発行体が一定の資本要件を満たせず支払いが制限されるケースで、AT1債の利払いを「優先する」案を提示した。ブルームバーグ・ニュースが12日入手した討議資料で示された案によれば、クーポンが全額支払われる場合に限り、銀行の株式配当が認められる。

2008年の金融危機で損失吸収に充当できなかった従来型債券に代わるものとして導入されたCoCoは、発行体の裁量でクーポンの支払い停止があり得る永久債だが、投資家は受けられなかった利払いを取り戻すことができない。いわゆる「ディビデンド・プッシャーズ条項」と「ディビデンド・ストッパーズ条項」は、AT1債の利払いと配当の有無を連動させる条件を定めているが、現行のEU法では認めていない。

ロンドンのホーガン・ラブルス・インターナショナルのパートナー、スティーブン・マキューアン氏は「ディビデンド・ストッパーズをめぐるEU政策の大きな転換の前兆かもしれない。苦境にある銀行が資本増強でCoCoを発行できるようになるため、政策として合理性がある。普通株主に配当を支払うために利払いがすぐ止まってしまうのではないかと投資家が心配すれば、それは不可能だろう」と指摘した。

「劣後株式」

今のEU法の下で金融機関が配当よりもCoCoの利払いを見送りかねないという状況が、年初の市場の動揺を招く一因となり、一部の投資家はCoCoを「劣後株式」と呼んだ。

AT1債のクーポンが支払われない場合、普通株式等ティア1(CET1)を含む他のクラスの証券の一部について裁量的支払いを自動的に停止するディビデンド・ストッパーズ条項が認められない理由についてマキューアン氏は、金融機関が苦境に陥り、増資が必要となった際に投資家の需要を支える狙いがあると説明。同氏は「銀行が新株ではなく、AT1債の発行で資本増強に動く可能性が高いという認識が、今回の方針転換に反映されているのではないか」と分析した。

原題:Banks’ CoCo Bond Payouts Gain More Protection in EU Proposal (2)(抜粋)

John Glover, Boris Groendahl

最終更新:8月18日(木)7時48分

Bloomberg