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『スター・ウォーズ バトルフロント』のVRコンテンツ『Star Wars Battlefront Rogue One: X-Wing VR Mission』は、かつてないほどのVR体験【gamescom 2016】

ファミ通.com 8月19日(金)12時32分配信

文・取材・撮影:編集部 古屋陽一

●プレイステーション VRのローンチと同日に『スター・ウォーズ バトルフロント』の購入者を対象に無料で配信
 2016年8月17日~21日(現地時間)ドイツ・ケルンにて、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2016が開催。会期中に、ビジネスエリアのエレクトロニック・アーツブースにて、『Star Wars Battlefront Rogue One: X-Wing VR Mission』を体験できた。エレクトロニック・アーツより事前に『スター・ウォーズ バトルフロント』関連のVRコンテンツがあるとは聞いていたのだが、蓋を開けてみるとそれはプレイステーション VR本体と同日に配信予定のコンテンツで、『スター・ウォーズ バトルフロント』の購入者には無料で提供されるという。たぶんに、『スター・ウォーズ バトルフロント』ユーザーへのファンサービスと、プレイステーション VR訴求の応援的な意味合いの大きなコンテンツだ。

 とはいえ、その中身は正直すごい! 記者もここ1~2年さまざまなVRコンテンツを体験しているが、本作『Star Wars Battlefront Rogue One:X-Wing VR Mission』は、なかでも1、2を争う楽しさだ。その内容はというと、おなじみ反乱同盟軍の戦闘機Xウイングに乗って、宇宙空間でドッグファイトをくり広げるというもの。と聞いただけでもファンならずともワクワクすること必至と思われるが、その期待は裏切られることはありません。コクピットに身を置いただけでテンションが上がる。思わず周囲を見回しながら、「おおおっ!」と叫んでいる自分を発見するのであります。後ろを振り返ると、(ボディが赤いからおそらく)R2-M5がちょこんと格納されていたりして、思わずうれしくなったり……。ちなみに、コクピット内では視線を向けてコントローラーを押すことで、計器を操作して、ウイングを上下させるという操作も可能でした。

 てな、デモンストレーションを経て、ここからがいよいよ本番。どうやら男性と女性キャラが選べるようですが、あまり深く考えもせずに男性キャラを選択。操作は、「『スター・ウォーズ バトルフロント』を遊んだことがありますか?」と担当の方に聞かれたことからもわかるとおり、同作の操作方法に準拠している模様。そしていよいよ宇宙空間へ。宇宙空間は、おそらくVRと親和性の高い舞台であるに違いないが、さらにぐいぐいと引き込まれる。やっぱり『スター・ウォーズ』の世界観の中にいるという高揚感が大きいのだろう。編隊を組みながら進んでいるときは、「まさに、気分は反乱同盟軍のパイロット」と言ったところ。ちなみに、編隊を組んで飛行しているときのスピード感はけっこうゆったりとしており、「これがリアリティーというものかなあ」と思わせたが(飛行機に乗っていて、窓の外を見ていると地上の風景がゆったりと流れていて、あまりスピードを感じさせないのといっしょ)、あとで開発者にうかがって、「なるほど」と思ったのだが、プレイヤーにVRに慣れさせるためのイントロダクション的な意味合いもあるようだ。

 で、『スター・ウォーズ』おなじみのハイパードライブを経て、いよいよ戦闘空間に投げ出される。ミッションは、迫り来るTIEファイターから味方艦を守るという内容で、VR空間でのドッグファイトは、ご想像に違わぬ臨場感。グラフィックも、現状のVRコンテンツ屈指のクオリティーではないかと思われた(後にインタビューで聞いたところ、Frostbiteエンジンを使用しているとのこと)。ひとしきりドッグファイトに身を投じていると、おなじみの帝国のテーマが流れ始め、「おお? もしかして?」との予感に上を振り仰ぐと、やっぱりとっても巨大なスター・デストロイヤーが! とにかくでかい! まさに鳥肌もの!! これぞVR体験の真髄なのかも……というところで、残念ながらデモは終了。実際のコンテンツでは、スター・デストロイヤーと一戦交えることになるのかな……。

 というわけで、興奮冷めやらぬまま、『Star Wars Battlefront Rogue One: X-Wing VR Mission』の開発を担当したクライテリオン・ゲームズの(そう、開発は『バーンアウト』などでおなじみのクライテリオン・ゲームズなのだ)アートディレクター、キーラン・クリミンス氏に話を聞いてみた。


――なぜ、『スター・ウォーズ バトルフロント』のVRコンテンツを作ることにしたのですか?

キーラン VRコンテンツに関しては、3年くらい前から実験はしていて、いろいろと試してアイデアを膨らませていたんですね。そんなときに、『スター・ウォーズ』のVR化の話をいただいて、いっしょに作ることになりました。

――『スター・ウォーズ』というIPとVRは相性がよかった?

キーラン そうですね。スタジオ内でも「やりたい!」という声が大勢でした。VRに関しては、準備はできていたので、ジャンプした感じです。

――改めてのご質問となりますが、VRの魅力は?

キーラン ファンタジーの世界を実現できることですね。フラットなスクリーンよりは、“そこにいる”という感覚を構築できる。座っているだけで、「おお、すごい」なんて実感していただけるわけです。

――事ほどさように魅力的なVRですが、では、『Star Wars Battlefront Rogue One: X-Wing VR Mission』ならではのエッセンスというのは?

キーラン 『スター・ウォーズ』のエッセンスを、VRで体験していただけるようにしています。Xウィングのパイロットになるというのは、多くの人にとって、子どものころからの夢だったと思うのですが、それがVRで体験できるわけです。自分が子どものころに考えたとおりのことができるんです。

――まさに『スター・ウォーズ』の世界に入り込める感覚というわけですね?

キーラン まさにそのとおりです。自分はパイロットとして、『スター・ウォーズ』の世界の中で生きているような感覚になれますよ。

――開発にあたってたいへんだったポイントなんてあります?

キーラン たくさんありましたとも! そもそもVRは新規のデバイスなので、そういう意味ではチャレンジばかりです。ルールもあるし、トリックもあるし……ということで、フラットなスクリーンでできたことが、使えなくなるわけですから。ただし、当社は昔から新しいものに取り組むカルチャーはあるので、そこは克服できました。いつも、新しいことにチャレンジしているので。

――VRというと、モーションシックネス(VR酔い)がひとつの課題になるかと思いますが、それに対する取り組みは? ちなみに、個人的には『Star Wars Battlefront Rogue One: X-Wing VR Mission』はとても快適に遊べました。

キーラン 最初から、“もっとも快適な体験をしていただきたい”と思っているので、その点には相当注力しています。バックグランドではものすごくいろいろなことをやって酔わないようにしています。それがわからないように、裏でいろいろと“トリック”を駆使しているんですね。

――たとえば、どんな?

キーラン 最初からいきなりフルのVR体験を提供するのではなくて、慣れていただけるように、段階を踏んで楽しめるようにしているんですね。最初はコクピットに入って周りを眺めるようにして、つぎは編隊を組んでゆっくりと進むようにして……といった具合です。体験の導入部はかなり苦労しています。アクションの体験をしていただけるまでに、少しづつ盛り上げていくわけです。クライテリオン・ゲームズでは長くレースゲームを開発してきたので、“乗り物をゲームの中に取り込む”という意味では、エキスパートだと自負しているので、その部分の経験も活かされています。

――いままでのゲーム開発のノウハウが、VRに活かされているということですね?

キーラン そうです。あとは、3年以上にわたる実験の成果も大きいですね。うまくいくものを集めて、今回のコンテンツにつながっているわけですから。

――本作のボリュームはどれくらいになるのですか?

キーラン 『スター・ウォーズ バトルフロント』のひとつのミッションと同等のボリュームですね。プレイステーション4版『スター・ウォーズ バトルフロント』を購入した方に限り、ダウンロードコンテンツとして無料で提供されることになっています。

――フリーで提供するとは太っ腹ですね。

キーラン (笑)。ひとつには、VRを盛り上げるためというのもあります。本作をプレイすることで、VRの魅力を実感してほしかったんです。ソニー・インタラクティブエンタテインメントさんのご希望されていたことでもありました。

――本作で使用しているエンジンは?

キーラン Frostbiteエンジンです。

――FrostbiteエンジンはVRに対応している?

キーラン いまはできるようになりました。

――3年間研究してきて投資をしてきて、無料のコンテンツを配信して終わり……というわけにもいかないでしょうから、今後もVRコンテンツは続々と?

キーラン VRのためだけに実験を重ねてきたというわけではなくて、いろいろと新しい取り組みをしていて、その中にあるのがVRなんですね。これだけで投資を回収しなければならないということではないです。まあ、VRに関してはやりたいことはたくさんありますが、まだはっきりとはしていません。

――これで、VRに対するノウハウが溜まったかと思いますが、今後手掛けてみたいVRコンテンツなどありましたら。

キーラン たくさんあります! シークレットがバレるといけないので、ここはノーコメントとさせてください(笑)。

――最後に、『Star Wars Battlefront Rogue One: X-Wing VR Mission』を楽しみにしている日本のファンに向けてひと言お願いします。

キーラン 開発は、プロトタイプ、プロトタイプ、プロトタイプの日々でした。新しい言語を書いたのと同じような行為で、開発はまったく手探り状態でわからないことだらけでした。とはいえ、『Star Wars Battlefront Rogue One: X-Wing VR Mission』では、最高のVR体験をお楽しみいただけると思いますよ!

最終更新:8月19日(金)12時32分

ファミ通.com

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。