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【レスリング】女子48キロ級金・登坂「365日が勝負」執念でつかんだ頂点

東スポWeb 8月19日(金)6時0分配信

【ブラジル・リオデジャネイロ17日(日本時間18日)発】五輪初出場の若手2人が大仕事をやってのけた。リオ五輪レスリング女子で48キロ級の登坂絵莉(22=東新住建)と69キロ級の土性沙羅(21=至学館大)が金メダルを獲得。まだ20代前半の2人だけに、日本にとっては2020年東京五輪に向けても大きな金メダルとなった。

 1―2とリードされた第2ピリオド終了まで残り15秒。素早く相手の右足を取って倒し、残り4秒で2点を奪って、そのまま3―2で逃げ切った。昨年の世界選手権と同じような終了間際の逆転勝利。登坂はガッツポーズで喜びを爆発させた後、事前の約束通り、日本レスリング協会の栄和人強化本部長(56)を肩車してマットを1周した。

 初出場の五輪での金メダルに「本当に最高ですね」と満面の笑みだったが、試合中はヒヤヒヤだった。「先取点を取って取り返しにくるところのカウンターを狙っていた。あんなに早く失点するとは思わなかった。若干パニックになってどうしようかと思った。試合はあんまり覚えてない。足をどう触ったかも覚えてない」と振り返った。それでも勝利への執念は誰にも負けず、ラストワンプレーでの逆転につなげた。

 世界の頂点に登り詰めた原動力は、持ち前の負けず嫌いと執念深さだ。「私の生活は365日、戦いです。勝つためには気を抜けません」。いつもは笑顔を絶やさない明るさが特徴だが、常に笑っているのは頑張っている姿をライバルに見せたくないからだった。

「もし練習で疲れた様子を出していたら、私なら『あの人は、相当練習を頑張っている。だから私も頑張ろう』とやる気になってしまう。相手の闘志に火をつけたくない。ヘラヘラしていたほうが、相手は気合が入っていると思われない」

 自らのツイッターもライバルに見られていると思っているため、投稿は遊びに関してのものがほとんど。勝つための行動はすべて計算ずく。まさに365日が勝負の世界だ。

 負けず嫌いは小さいころから。小1ではドッジボールがうまくなりたくて、毎晩8時半までドッジボールが得意な近所の同級生男子にボールを投げてもらった。至学館大の練習でウオーミングアップのためにサッカーをやっても真剣勝負。「『今、なんでいかないの?』とか『ヘラヘラしてる場合じゃないでしょ』とか本気で怒ってしまうので、私のチームに入りたがらない子がいました」というほどだ。

「五輪のチャンピオンになりたくて今日は勝てた」と胸を張った。「まずはケガを治した上で東京五輪に出たいですね。東京だったら、もっとすごいと思う」と連覇の夢を追いかける一方で「あそこまでは無理かもしれないけど、(吉田)沙保里さん、(伊調)馨さんの連勝街道に続きたい」。リオの地で大輪の花を咲かせた「小さな燃える闘魂」は偉大な先輩の背中も追いかけていく。

☆とうさか・えり=1993年8月30日生まれ。富山・高岡市出身。9歳から高岡ジュニア教室でレスリングを始め、愛知・至学館高から至学館大を卒業。今年から東新住建に入社し、至学館大大学院に在学している。2012年全日本選抜選手権女子48キロ級で優勝し、同年の世界選手権で銀メダルを獲得。13年から同大会3連覇中。152センチ。

最終更新:8月19日(金)6時0分

東スポWeb