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<Wコラム>いま読みたい! 人気俳優物語~ウォンビン(中編)

WoW!Korea 8月19日(金)16時58分配信

2015年5月に女優のイ・ナヨンと結婚したウォンビン。彼は1977年なので今年で数え40歳になる。それでも、若々しいイメージがずっと残っている。それが俳優としての弱みにつながることもあるのだ。

ウォンビンのプロフィールと写真


■インタビューしづらい俳優

あるインタビューで、ウォンビンは「今まで演じてきた役の中ではあまりにも弟の役が多かった」と指摘されると、こう答えた。「自分の中では、誰かを守り世話をしたいという想いが大きいと思います。なぜこんなイメージが強くなったかはしりませんが、映画の中ではいつも誰かが僕を守ってくれていたんです。これからは僕が誰かを守るという作品に出たいと思っています。でも、またも末っ子やいたずらっ子の弟などの役の話ばかりが来ますよ(笑)」

実際のウォンビンの性格は、もっと男性的だ。広く知られてはいないが、彼はテコンドーの公認3段であり、モーターサイクルとカーレーシングを趣味にしている。また、写真を見た読者もいるだろうが、ウォンビンは一時インターネットで話題になったほどすばらしい筋肉質の体型をしている。

そして、記者たちが最もインタビューしづらい俳優の1人に選ぶほど無口で、芸能人の友だちはあまりいないという。数少ない親友のカン・ドンウォンと親しくなった理由が、お互い無口で一緒にいても話をしなくてもいいからだった。


■演じる役を制限される傾向が強い

意外とも思える性格を持ったウォンビンなのだが、やはり、美しいほどの容姿を持った影響はあまりに強かった。人々は彼の外見にとらわれて、実際にはそんなに演じていない洗練された都会的なイメージだけを記憶している。出演依頼がくる作品も、主に保護される役ばかりだった。

韓国の美男俳優の代表ともいえるチャン・ドンゴンがかつて「自分の容姿が演技には邪魔になっていて悩んでいる」と語ったことがある。一般の男性からすると羨ましいかぎりのことでも、本人は深刻に悩むのである。ましてや、ウォンビンの場合は、演じる役を制限される傾向もあった。

特に、映画『母なる証明』(2009年)でウォンビンが担った役は、“保護される”という点では以前と同じだった。むしろ、最も弱くて誰かの保護なしには生きていけない役だったともいえる。

田舎を舞台にして、殺人の容疑者になってしまった息子の無罪を証明するために奮闘する母を描いた映画『母なる証明』。ウォンビンのファンはガッカリするかもしれないが、実はこの映画は、国民の母とも呼ばれている名女優キム・ヘジャのための映画だった。ポン・ジュノ監督は最初からキム・ヘジャを念頭において構想を練ったと公言していた。キム・ヘジャの出演が不可能だったら映画製作はしない、と断言したこともある。

しかし、ウォンビンは単独主演も可能な作品を次々に断って、キム・ヘジャが主役の映画を選んだ。そこには、彼のどんな思いが込められていたのか。


■難しい役を見事に演じた

映画『母なる証明』でウォンビンが担ったのは、田舎に住む思慮不足の青年の役だ。

誰もが認める美男俳優が、田舎臭くて冴えない青年の役を演じるとは……。トップレベルの俳優が5年ぶりに選択した役の比重と内容のすべてがファンには意外だった。多くのメディアがウォンビンとのインタビューの中で、この映画を選んだ理由ばかりを聞いたのも当然だろう。

そんなとき、ウォンビンはこう答えた。「『母なる証明』に出会う前には、似たような種類の作品のオファーが多かったですね。それらはすべて以前に演じた役とあまり変わらなかったので、何よりも変化がほしかったんです。それで、今までのオファーにはそんなに心が動きませんでした。でも、『母なる証明』は今までとは違う役だと感じたので、ぜひやりたくなりました」

何よりもウォンビンが惹かれたのは、興行性と作品性を兼ね備えたポン・ジュノ監督と国民俳優のキム・ヘジャの組み合わせである。それだけで、作品に何かが生まれる可能性があった。しかも、高度な内面の演技を求められる役だった。ウォンビンとしても、『秋の童話』以降に固められていたイメージを一変させるのにふさわしい作品に思えたことだろう。

ここで注目すべきことは、ウォンビンが言った「今までとは違う役」ということだ。『母なる証明』でのウォンビンが演じるドジュンは、単に「保護されるだけの人間」ではない。頭が弱くトラブルばかり起こして母親の保護を受けているが、事実はすべての事件の始まりであり、それをいっそう深める重要な要素として作用している。

つまり、ドジュンという役はただ事件に縛られているのではなく、実は事件の中心にいるのだ。映画設定の元になる「母性本能をくすぐる息子という装置としての役」だけではなく、明るさと暗さ、善と悪の間を微妙に行き来しながら、劇的な緊張感を高めるために刻々と変化する役でもあるのだ。ウォンビンは演技しながら「いつも悩むばかりだった」と正直に告白したが、この役は一言では定義しがたいほど難しかった。

結論からいえば、このように至難な役をウォンビンは見事に演じた。人にさげすまされながらも、すべてを見極めているような内面的変化をウォンビンは的確に演じた。この境地に達するには、高いレベルの演技力が必要だ。ウォンビンは『母なる証明』で、単純に以前のイメージから脱しただけではなく、いつも付きまとっていた美男スターという修飾語をはぎとり、すばらしい演技力を持った俳優としての立場を強固にした。

文=朴敏祐(パク・ミヌ)+「ロコレ」編集部
(ロコレ提供)

最終更新:8月19日(金)16時58分

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