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歯周病が全身疾患を引き起こす――専門医が語る“本当の怖さ”と対策

ITmedia LifeStyle 8月19日(金)16時41分配信

 フィリップスが歯周病予防のために開発した新しい電動歯ブラシ「ソニッケアー ガムヘルス」。8月18日に都内で行われた発表会では、誠敬会クリニック内科・歯科の田中真喜理事長が登壇し、専門医の立場で歯周病の実態を語った。

歯周病の進行と症状

 歯周病は、かつて「歯槽膿漏」(しそうのうろう)と呼ばれた腔内疾患だ。原因は細菌感染で、症状としては「歯茎から血が出る」「歯茎が下がってくる」「口臭」など。そして重症になると歯がグラグラしたり、抜け落ちたりしてしまう。

 中高年の病気というイメージもあるが、症状が軽いケースも合わせると決してそうではない。日本の歯周病患者は、子どもの40%、学生の72%、成人は84%、高齢者の68%に及ぶという(平成23年 厚生労働省 歯科疾患実態調査より)。

 「もはやこれは国民病といっても過言ではないと感じています」(田中氏)

 しかし、平成26年に継続して歯周病の治療を受けている人は331万5000人(推定)と人口のわずか2.6%しかいない。「こんなに少ない状況には理由があります。Silent Disease……つまり高血圧などと同様、歯周病も自覚症状がないままに静かに進行する病気だから。ちょっと症状が出ても日常生活に困らないと病院には行かない人が多く、受診率の低さにつながってしまっています」

 口の中には歯周病を引き起こす細菌が「うようよいる」と田中氏。歯ブラシのCMなどでよく耳にする「プラーク」は“食べかす”と勘違いしやすいが、実は「細菌のかたまり」で、その表面にはデンタルバイオフィルムと呼ばれるシールドを作ってしまうため、しっかりこすり落とさないと除去することはできない。そしていずれ「歯石」になってしまう。

 さらにやっかいなことは、歯周病が進行して歯と歯ぐきの間で細菌が繁殖しても外からは見えず、「まるで坂道を転げ落ちるように悪化する」ことだ。歯周病が進行した患者を診察すると「歯の根っこの表面に歯石として(細菌のかたまりが)ぺたっとくっついています。歯周病細菌の栄養源は血液中の鉄分。歯周ポケットに潰瘍(かいよう)を作って栄養源を確保します」。1本の歯は小さいが、何本もの歯の周囲に潰瘍ができたとしたら……重症患者の場合、すべての潰瘍を合わせた面積が約72cm2におよび、それは「手のひらと同程度になる」という。

●歯周病が全身疾患につながる

 歯周病は全身疾患につながる危険性もはらんでいると田中氏は指摘する。「5年、10年という単位で“手のひら大”の面積が化膿している、と考えれば理解できると思いますが、歯周病は口の中だけでなく、全身に悪影響を及ぼします。メタボリックシンドロームをはじめ、糖尿病、高血圧といったさまざまな病気を引き起こす可能性があります」

 事実、高血圧症の患者に歯周病治療を行ったところ、血圧が下がった事例もあるという。「PPD(歯周ポケットの深さ)が浅くなり、ばい菌がいなくなると、患者さんの血圧がぐんと下がりました。その後も歯周ポケットが浅いままなら血圧も下がった状態をキープできます。歯周病は、全身疾患と密接な関係があるということです」

●毎日の歯磨きが大事

 重症になると歯がグラグラしはじめ、抜け落ちることもある歯周病。歯を失うと食事がおいしく感じられなくなるほか、話すときの発音や呼吸、運動にまで影響を与えるという。「口腔機能というが、歯には食べ物を咀嚼(そしゃく)して飲み込むことだけではなく、呼吸や発音、運動にも関わってきます。歯の数は、人間らしい動作をすることにとって重要なこと。本数を維持していることが生活を豊かにすることにつながります」

 では、歯周病を予防し、進行を防ぐには何が有効か。細菌の固まりであるプラークを落とし、口の中を“細菌の少ない状態”でキープするため、毎日の口腔ケアが重要だと田中氏は指摘する。フィリップスと同氏が共同で行った調査では、一般的な歯ブラシを使った“手磨き”と電動歯ブラシの「ソニッケアー」で2分間の歯磨きを行い、細菌の残存量を比較。その結果、「細菌の減少数が有意に高い、効率的な方法であることが分かった」という。「ソニッケアーは、口腔内の歯垢を落とすだけでなく、その奥に潜む病気を未然に防ぐ有効な手法になり得ます」(田中氏)

最終更新:8月19日(金)16時41分

ITmedia LifeStyle

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