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「高速の雨」にも対応 新幹線のワイパーはクルマとどう違う?

乗りものニュース 8月19日(金)10時16分配信

クルマとの最大の違いは“動き”

 クルマを運転中に雨が降り、とっさにワイパーを強くかけた経験は誰にでもあるはず。ましてや300km/hなどで走る新幹線は一瞬で前が見えなくなりそうですが“新幹線のワイパー”とは一体どのようなものでしょうか。

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 JR東海によると、流線形をした東海道新幹線の先頭車両が285km/hの速度で雨を受けた場合、雨は基本的に、フロントガラスに付着することなく飛んで行ってしまうそうです。また信号も線路脇ではなく運転台のディスプレーに表示されるため、そもそも高速走行中にワイパーの出番は多くないといいます。

 ただし、東海道新幹線の運転士はカーブの特徴などを頭に入れた上で、手動で加減速を行うため、現在地点を目視で確認したい場合や駅に向けて減速する場合などにワイパーを使用するそうです。

 それでは、高速で走る新幹線のワイパーにはどのような特徴があるのでしょうか。

 東海道新幹線の先頭車両前面のガラス窓は細長い長方形のような形状であるため、クルマのワイパーのような動作をすると水分を拭き取れない面積が大きくなり、運転士の視認性が悪くなります。そのため、N700系ではワイパーを垂直方向のまま動かすことで、清掃できる面積を大きくしているといいます。

 また東海道新幹線のワイパーは、流線形の先頭形状やパンタグラフの構造と同様、沿線への騒音対策もなされているのが特徴。研究施設における風洞試験の結果を受けて、ワイパーの定位置は上り下りどちらの運転時にも常に対向の線路側(前面窓の右寄り)になるといいます。

 さらにワイパーを人の「腕」に見立てて、ワイパーの軸を「ひじ」、雨を拭き取る部分を「手のひら」とした場合、「手首」に相当する部分を動かして雨を拭き取れる機能もあるそうです。

青山陽市郎(乗りものニュース編集部)

最終更新:8月19日(金)12時36分

乗りものニュース