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若者にも人気の清涼アイテム「水うちわ」って何?

TOKYO FM+ 8月19日(金)12時0分配信

最近は、お祭りや花火大会でもないのに、普段の日に浴衣を着たり、扇子や手ぬぐい、風呂敷など「和物グッズ」を好んで使う若い人も増えた気がします。そんな和物好きな方におすすめなのが、今回ご紹介する、夏にピッタリの「清涼アイテム」です。

エアコンも扇風機もなかった江戸時代。
ですが、当時の気候は「小氷河期」であったと言われており、気温は夏でも30度を超すことなどなかったとも言われています。
さらに風通しの良い江戸時代の家は、今よりもずっと涼しかったので、現代の私たちのような「猛暑対策」は必要なかったのです。

では、明治の人々はどうだったのでしょうか。
服装も徐々に、着物から洋服へ。
そして家の造りも変わっていきました。
暑い夏の日、彼らに重宝されたのは……「水うちわ」。

「水うちわ」は、もともと岐阜県で作られたもの。
一見、普通のうちわなのですが、よく見ると透明感のある美しい和紙で作られています。
これは雁皮紙(がんぴし)という、とても薄い特殊な和紙。
この雁皮紙を貼り、うるしのような天然のニスを塗って作り上げるのが「水うちわ」です。
デザインもさまざまで、金魚や朝顔など、夏を感じさせる絵柄が描かれています。

見た目だけでも、向こうが透けて見える涼しげなうちわですが、当時の人々は舟遊びのとき、川の水に浸けて扇いでいたそう。
ニスが塗ってあるので、水に浸けても簡単には破れません。
パタパタ扇ぐと気化熱を利用することで涼しさが増すというわけです。
さらにもともと透明感のあった和紙が、水に浸けることにより、さらに透けて柄が浮かび上がり、とても風流。

特別な技術や和紙を使うため、一時期は継承者が途絶えてしまった水うちわ。
ですが、近年、老舗の業者からもう一度復刻しようという動きが表れ、昔の文献などから作り方を紐解き、再度水うちわが販売されました。
その美しさから若者にも大人気で、毎年夏には売り切れてしまうのだそう。

明治時代に生まれた日本の美しい清涼アイテム。
手元にひとつあったら、夏を乗り越えられそうです。

(TOKYO FMの番組「シンクロのシティ」2016年8月18日放送より)

文/岡本清香

最終更新:8月19日(金)12時0分

TOKYO FM+