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今年の工作機械受注、日工会が1.3兆円に下方修正 分水嶺の月1000億円は維持

日刊工業新聞電子版 8月19日(金)15時10分配信

健全水準も潮目変わる

 日本工作機械工業会(日工会)は18日、年初に1兆5500億円とした2016年の工作機械受注額目標を、1兆3000億円に下方修正した。急速な円高進行をはじめ、市場環境が変わり、修正が適切と判断した。日本の工作機械産業は円安や米国経済の活況を背景に14―15年と好況が続いたが、潮目が変わったと言えそうだ。ただ、1兆2000億円以上であれば健全水準であり、依然として底堅さはある。

 都内で開いた定例会見で、花木義麿会長が明らかにした。1兆3000億円は前年実績比12・2%減だが、90年以降で過去9番目の受注額となる。好不調の分水嶺(れい)とされる月1000億円も上回る。

 花木会長は「国内は助成金の効果がある。海外も東南アジアの需要回復が進むと見られるうえ、米国と日本で大規模な展示会もあり、受注増が見込める」と修正後の目標額について説明した。ただ、1兆3000億円の達成には8月以降に毎月1130億円程度受注額の積み上げが必要となる。

7月受注は19%減の1043億円

 日本工作機械工業会(日工会)が18日発表した7月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比19・7%減の1043億9400万円と、12カ月連続のマイナス。世界経済の先行き不透明感が増して外需が減少したが、内需が補助金の効果で2カ月連続の500億円超えとなり受注総額では好不調の判断基準である1000億円を3カ月連続で上回った。

 内需は同14・3%減の513億円。前年に省エネ関連の補助金の駆け込み需要があったことを踏まえると堅調という。外需の低迷を受け内需の比率が49・1%と高まった。2008年のリーマン・ショック以降で内需比率が最高となっている。

 6月に設備投資支援の政府補助金が採択されたことが内需堅調の要因。先行きは「補助金以外の案件はユーザーが慎重になっている」(花木義麿会長)面もあるものの、補助金の効果で堅調に推移すると見込まれる。

 外需は同24・3%減の530億9000万円。39カ月ぶりに550億円を割った。地域別では北米、アジアが落ち込んだが、欧州では航空・造船・輸送用機械が大きく伸びた。北米の自動車関連は10カ月ぶりの50億円割れと、設備投資が調整局面に入っている。

 同日の定例会見で花木会長は「北米需要は底堅く、今後は増えてくるだろう。アジアも中国は長期的に見ないと厳しいが、東南アジアは回復傾向にある」との見通しを語った。

最終更新:8月19日(金)15時10分

日刊工業新聞電子版