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調達費削減を第3の利益源にする“介在屋”とは

ニュースイッチ 8/19(金) 14:50配信

「マザー工場」ならぬ「マザー調達本部」の役割

 調達・購買業務とは自社の生産に必要な部品や材料を購入したり、工程の一部を外注したりすることだ。調達費削減は利益向上に直結する。売上高がなかなか伸びず、生産効率も上がりきったなか、第3の利益源として注目されてきた。同時にこれまで発注伝票を右から左に流すだけと思われてきた調達・購買部門も注目されてきた。

 調達・購買業務を分けて考えると、大きく「ソーシング(契約業務)」「パーチェシング(調達実行)」の二つだ。前者は、市場調査や戦略構築からはじまり、調達仕様を決定したり、折衝と取引先選定をしたりする。後者は、発注業務や納期調整、対価支払いサポートなどを行う。これまでであれば、ソーシングとパーチェシングをおなじ部員が担当していたところ、より専門性を高めるために分離している企業が増えている。

 ソーシング側はグローバルに供給できる取引先を探したり、あるいはコスト削減ネタを模索したりする。以前「マザー工場」なる単語があった。日本で先端生産技術を育み、世界に伝播(でんぱん)させる試みだ。いま「マザー調達本部」なる単語が出ている。日本で生産をはじめ、そこで得たコスト削減策や、取引先の品質向上策を、世界各拠点に伝える役割を指す。日本の生産数量が減っていくなか、調達・購買部門も知的な業務比率が高まっている。

 パーチェシング側も、取引先工場に張り付き、両社が一丸となり改善活動を進める機会が増えている。サプライチェーン全体のロスやコストを減らすためだ。調達・購買業務は良い意味で日々「介在屋」化している。

坂口孝則(未来調達研究所取締役、調達・購買業務コンサルタント)

最終更新:8/19(金) 14:50

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