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ナマケモノ、実は省エネの大天才?

ギズモード・ジャパン 8月19日(金)21時10分配信

怠けているのには理由があるんです!

ほとんどの時間を木の上で眠りながら過ごし、とにかくノロい動きから不名誉な呼び名までつけられた動物、「ナマケモノ」。そんなナマケモノたちを、2009年から観察し続けている、ウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin-Madison)の研究者チームが、このほど「American Naturalist」に最新論文を発表しました。

実はナマケモノは、地上の野菜や果実などの作物を好んで食す、普通の草食動物とは異なります。一生を高さが10m以上の木の上で過ごし、木の葉しか食べません。葉食動物とよばれ、非常に珍しい存在のために貴重な研究対象となっています。

同研究チームは、ナマケモノのメタボリック率や体温を測定しながら、ほかの哺乳類と比較。典型的なナマケモノが、1日に460キロジュールを消費していることを突き止めました。これは約110カロリーに値する消費量です。人が1回咳をするだけで約2キロカロリー消費するので、なんとその1/20です。こんなにわずかな活動量しかない哺乳類は、地球上にはほかに存在しません。たとえばほかの動物と比較すると、アザラシは1日に100倍以上になる5万2500キロジュールを消費しています。

まさにナマケモノは、その限りなく動かないライフスタイルゆえに怠けているといわれても仕方がないことが、数値のうえでも証明された形でしょうか。とはいえ、同研究チームは、その原因が、ナマケモノの食事によるところが大きいとの結論にいたっています。

木の上にぶら下がって、周りにある葉っぱだけを食べようとすると、食事の量は非常に限られます。しかも木の葉の栄養価なんて、ほとんどありません。しかしながら、それだけで生きていくために、ナマケモノは自身の体温まで見事に調節。とにかくカロリーを消費しないようにし、動くとしても本当にユルリユルリとしたスピードに抑えます。栄養価の低いわずかな食物だけで生きていける、完璧なライフスタイルなのです。


“同研究は、高い木々の上で葉っぱだけを食べて生きる生活が、なぜスロースタイルに行きつくのかを説明するものとなる。高速で飛ぶ鳥などの動物は、なぜ木の葉を食べて生きようとしないのかが判明するし、大量の食事をするシカなどの草食動物は個体が大きくなり、(木から下りて)地上で生活することを好む理由も明らかになっている。”


これまで研究を資金面で援助してきたNational Science Foundation(NSF)の環境生物学部のDoug Leveyは、このようなコメントを発表しています。

ナマケモノの怠けた生活スタイルは、限りなく少ない食事でも十分に長生きするための、まさに省エネの極意でもあるんですね。究極のエコライフのお手本として、もっとナマケモノが見直される日もやってくるかな?

image by UW-Madison/Zach Peery

source: UW-Madison

Carli Velocci - Gizmodo US[原文]

(湯木進悟)

最終更新:8月19日(金)21時10分

ギズモード・ジャパン