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性的少数者に理解を クラブチッタで映画とトークイベント

カナロコ by 神奈川新聞 8月19日(金)12時15分配信

◆当事者の思い 親子で語る
 性的少数者(LGBT)への理解を深めてもらうための映画上映とトークイベントが17日、クラブチッタ(川崎市川崎区)で開かれた。性同一性障害と診断された川崎出身の小林空雅(たかまさ)さん(21)と母・美由起さん(55)が登場し、当事者としての思いや経験を初めて親子一緒に語った。

 小学生のころ、赤いランドセルがなんとなく嫌だった。男女に分かれて並ぶ時、女子の列にいることも。だが、「女の子でも赤色が嫌いな子や、男子と一緒の方が遊んでいて楽しいと感じる子もいる。性別の自覚が違うからという意識はなかった」。成長と共に悩みが増えていき、中学では制服のスカートを足首まで長くした。

 空雅さんは中学2年の時、性同一性障害と診断された。病院に行ったきっかけは、母が見ていたテレビドラマだった。

 美由起さんは当時を振り返る。「なんとなく、小学校中学年くらいから目の輝きが曇ってきたと感じた。服を買いに行っても男の子のコーナーしか行かず、こういう言葉は使いたくないが女の子っぽくなかった」。再放送していたドラマに、同じ障害のある中学生が出てきた。「悩みはこれかもしれないと思い、さりげなく見せていた。本人から『病院に行きたい』と言われ、受診を決めた」

 セーラー服から学ランに変え、男子生徒になった。通称名を使い始め、高校進学時には戸籍上の名も「空雅」として、カミングアウトした状態で入学した。

 母は強調する。「学校には特別扱いではなく、普通に男子として扱ってもらえれば大丈夫だと言った。ただ性別を間違えていただけなので、正しく直したいという姿勢だった」

 2人の経験談を聞き、会場からは「いじめはなかったか」「相手が差別をする人かどうか、見分ける方法は」といった質問が上がった。空雅さんは「確かに差別的なことを言ってくる人がいるが、言われたところで気にしない。自分がどうしたいかを大事にしてきた」。美由起さんも「学校側もいじめを心配してくれたが、私たち親子は自分にうそをついて、つらい思いをして学校に行くより、堂々と自分を出して学校に行く方を選びたかった」と力を込めた。

 イベントは川崎市とNPO法人ピープルデザイン研究所の主催で、約250人が来場。ゲイ(男性の同性愛者)カップルがダウン症の男の子を育てようとする、実話を基にした映画「チョコレートドーナツ」も上映された。

最終更新:8月19日(金)12時15分

カナロコ by 神奈川新聞