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Q1で使用したタイヤを冷やしてQ3へ。こっそりお伝えしたいスーパーフォーミュラ第4戦ツインリンクもてぎの楽しみ方

オートスポーツweb 8月19日(金)19時31分配信

 今回、なにかと話題の多いスーパーフォーミュラ第4戦ツインリンクもてぎ。シーズン後半の勢力図を占う意味でも重要な一戦になる。その中でも、今回導入される2スペック目のソフトタイヤの使い方は一番のキーポイント。その最初のクライマックスとなる土曜日の予選。もちろん普通の順位争いも充分に楽しめるが、ここではこっそり、マニアックな楽しみ方をお伝えしたい。

【写真】スーパーフォーミュラ第4戦もてぎ、金曜走行

 予選の見どころの前に、まずは今回のもてぎ戦の見どころをざっくりとおさらいしたい。

1)2スペック目のタイヤ、ソフトタイヤを投入
 今回のもてぎでは従来のミディアムタイヤに加えて、2スペック目のタイヤ、ソフトタイヤを使用することになる。1戦6セットのタイヤ使用制限のなかで、新品タイヤは4セット。その中の2セットがソフトタイヤとなる(残りはミディアム2セット、前戦からの持ち越しミディアム2セット)。どこでどっちのタイヤを選ぶのか、チーム&ドライバーの腕の見せどころ。さらには、ウエットタイヤもソフトとミディアムの2スペックを導入。

2)トヨタ、ホンダともにニューエンジン投入
 このもてぎ戦は、トヨタ、ホンダともに今季2基目となるニューエンジンを投入。そのニューエンジンは両メーカーとも、スーパーGTで2基目として投入されたエンジンとベースは同じ。そのスーパーGTではホンダエンジンの評判がすこぶる高かっただけに、このスーパーフォーミュラでもホンダエンジンの本当の逆襲が始まるのでは、との声が現場から聞こえている。

3)ブレーキパッドをヒトコ製に換装
 前回のスーパーフォーミュラ第3戦富士戦ではいろいろトラブル、アクシデントが目立ったブレーキ関連。今回からブレーキパッドのメーカーが代わり、ブレーキの効き方、耐久度が変わる。走行時間が短い中で、ドライバー、チームがそれをどう使いこなすか。

 つまりは、エンジン、タイヤ、ブレーキという、かなり大きな要素が今回のもてぎ戦で変更されることになる。いずれのチームもドライバーも充分な走行機会がないまま、今回のもてぎで使用されることになる。現在ランキングトップの山本尚貴も、今週末の展望を以下のように語る。

「地元での1戦なので、いつも以上に気持ちの入るレースではありますが、スーパーフォーミュラ&フォーミュラ・ニッポンにステップアップしてから、もてぎで1度も表彰台にすら上がれていません。だから今週は特に優勝したいです。(ブレーキ、ソフトタイヤ、エンジンが変わるが?)もちろん良い方向へ行くよう、できる限りの準備はしてきました。ただ、どのチーム、どのドライバーも未知数な部分がたくさんあるので、チームとドライバーの力が一層試される戦いになると思います。自分たちの力を100パーセント出し切ることに集中したいですね。加えてトヨタもホンダもここから新型エンジンを投入します。その性能差がどういった形で表れるのかも重要です。後半戦を戦う上で、(今週末は)正念場です」

 山本が話すように、今回のもてぎは後半戦の勢力図を占う重要な一戦。どのチームにも言えることだが、未知の戦いになる。その中でも、今回のもてぎ戦で特にオススメしたく、そしてもっとも面白くなりそうなのが土曜の予選だ。

■予選Q3で使うタイヤは、新品ミディアムか中古ソフトか──

 2スペックが使える今回のもてぎ戦だが、ソフトタイヤは2セットしか使用できないため、予選Q1ーQ2ーQ3の3セッションのうち、2セッションでしかソフトは使用できない。そしてソフトとミディアムのタイム差は約1秒と予想されているため、今のスーパーフォーミュラの僅差の戦いを考慮すると、ポールポジションを狙えるドライバーでもQ1をミディアムタイヤで突破するのは至難の業となりそう。

 つまり、よほどのギャンブルをしない限り、どのドライバーもQ1とQ2でソフトタイヤを選択するのは間違いない。となると、ソフトタイヤを使い切ったQ3でのタイヤがポイントになるわけだが、金曜日の現地の取材を元に推察すると、ニュータイヤのミディアムよりもソフトのユーズドタイヤの方がタイムが出るという意見が多かった。明日のQ3はどうやら、ユーズドタイヤでのアタック合戦となりそうな気配だ。

 そこで、Q3でユーズドタイヤを使う前提で考えた場合、こっそりお伝えしたいマニアックな見どころとしては、A)予選アタックのコースインのタイミング&ポジション争い。B)Q3でアタックするユーズドタイヤをQ1、Q2のどちらで使用した方を選ぶのか──のふたつが挙げられる。

 A)のタイミングに関しては、Q3ではできるだけ周回数の少ないユーズドタイヤを使いたいため、Q1、Q2では最小周回数&1回のアタックでセッションをクリアするタイムをマークしたい。そのためにも、各セッションの一番最後のタイミング、残り5~4分を切ったあたりから、コースインラッシュが起こることになるはずだ。これはもしかしたらサーキットにお越しの方だけが楽しめる特権かもしれないが、アウトラップでのタイヤのウォームアップ合戦、そして前後のマシンとの間隔調整といった、パッと見では分かりづらくも、特に今回の予選アタックには欠かせない裏側での戦いが、今まで以上に重要になると考えられる。

 そしてB)のQ3アタックでQ1,Q2のどちらのユーズドソフトを使用するかだが、これは一見、Q2で使用してタイヤが温まった状態の方がQ3でもアタックしやすそうだが、意外にもQ1のタイヤを使用するチームがほとんどになるようだ。

■明日の予選、スーパーフォーミュラ通となるために

 Q1で使用したタイヤを、クルマから外してすぐに冷たい水が入った大きなタライに入れて冷やし、そのタイヤをQ3のユーズドタイヤで使用するというのが、どうやら明日の予選のセオリーとなりそうなのだ。

 こちらもグランドスタンドのファンしか見ることができないかもしれないが、Q1のアタック後にメカニックが即座にタイヤを冷やすシーンを見ることができたら、お連れの方に、「あれはねえ~」と、ウンチクを述べれば、かなりのスーパーフォーミュラ通と思われること請け合いだ。

 これはチームの方にお願いしたいのだが、メカニックの方々には是非とも、タイヤをピット裏などでこっそり冷やさないで、できるだけピットロード側で(もちろんペナルティを受けない範囲で)ジャブジャブタイヤを洗って頂けたら、今のスーパーフォーミュラの熾烈な戦い、そしてメカニックの懸命な作業の一端を、ファンが垣間見ることができるはずだ。

 タイヤにエンジンにブレーキと、使うモノが代われば、その使い方も変わってくる。明日の予選は、そんな各チーム、各ドライバーの新しい戦いに注目したい。夕方から雨の確率も若干、高くなっているようだが、明日はなにより、ドライコンディションで2スペックタイヤのタイムバトルを心から願うばかりだ。

[オートスポーツweb ]

最終更新:8月19日(金)19時44分

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