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政府:共働き世帯応援へ「夫婦控除」を検討-配偶者控除見直しに着手

Bloomberg 8月19日(金)0時0分配信

政府は専業主婦家庭を優遇してきた「配偶者控除」を見直し、共働き家庭にも利益が及ぶ「夫婦控除」の導入を検討している。複数の政府関係者が明らかにした。9月にも政府税制調査会で具体化に向けた議論が始まる。

1961年に創設された配偶者控除は、夫がフルタイムで働き、妻が専業主婦の家庭を主な受益者としてきた。妻がパートタイムで働いていても給与収入が年間103万円以下であれば、夫の所得から38万円の控除が受けられるため、妻は勤務時間の調整を行うことがあった。財務省によると、2015年度の適用人数は約1500万人で、年間約6000億円の税収減につながっている。

導入を検討している「夫婦控除」は、夫婦の合計所得に税制上の優遇を設ける制度だ。妻の収入を低く抑えずとも控除が受けられるため、共働き世帯にも恩恵が及ぶ。控除対象は夫婦の合計収入が一定以下の世帯に限定される見通しで、今後線引きについて議論する。

いち早くウーマノミクスの概念を掲げたゴールドマン・サックス証券のキャシー・松井チーフストラテジストは、同制度を見直し「中立的な税制・社会保障制度」を目指すことで「多くの既婚女性にパートタイムではなく、フルタイムで働くきっかけをつくり、それぞれの家庭により高い所得と利益をもたらす」と評価する。

厚生労働省の「パートタイム労働者総合実態調査(11年)」によると、配偶者がいる女性パートタイム労働者のうち21%が就業調整をしており、うち37.7%が配偶者控除を理由として挙げた。15年の総務省の「労働力調査」によると、非正規職員・従業員として働く男性21.9%に対し、女性は56.3%だった。

大和総研の是枝俊吾研究員は、仮に夫婦控除が導入された場合、個人ではなく世帯単位の税制となるため、「かなり共働きに有利な税制に舵(かじ)を切ることになる」とみる。さらに、夫婦であることにメリットを与えることになることから、「結婚して世帯を形成することを促進する税制だ」と説明した。

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最終更新:8月19日(金)0時0分

Bloomberg