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縦割り行政の弊害露呈 沖縄都市モノレールの昇降機故障放置

琉球新報 8月20日(土)5時3分配信

 沖縄都市モノレールで全15駅中6駅で昇降機が長期間にわたって停止している問題は、同社を始め、国や県、那覇市の当事者意識の低さが根底にある。同社は「人に優しい ゆいレール」を掲げ、バリアフリー対応で高齢者や身体障がい者に寄り添うことをホームページでもうたっているにもかかわらず、部品交換の緊急性や優先順位などの情報を共有していなかった。縦割り行政の弊害が露呈し、結果として利用者にしわ寄せが及んだ。
 昇降機の復旧が遅れているのは、ゆいレールの周辺施設が道路などの交通インフラと同様に場所によって管理者が異なることが背景にある。関係機関間で緊密な連携を取っていなかった結果、最初の故障から3カ月以上たった現在も長期停止の責任の所在はあいまいなままだ。

 沖縄都市モノレールを含めた4者は今後、補修、修復などを含めた管理体制をモノレール社に一元化することで再発防止を図る考えだ。だが、具体的な枠組みは決まっておらず、補修や部品交換にかかる予算執行が円滑に進まない場合、根本的な解決は難しい。

 この日の会見では「お客さま目線を一層認識する」との言葉が何度も飛び出した。利用者より行政の都合を優先してきたことの裏返しとも言え、利用者を置き去りにした感は否めない。

 新たな公共交通インフラとして出発し、今年で開業13年を迎えるゆいレール。順調に利用者を伸ばし、単年度決算では黒字も実現するなど県民や観光客の足として定着してきたが、問題の長期化は利用者の減少にもつながりかねない。早期復旧も含めたサービスの向上を目指すことが信頼回復の第一歩となりそうだ。(吉田健一)

琉球新報社

最終更新:8月20日(土)10時4分

琉球新報