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ドアに高齢者つえ挟み発車 TX、トラブル相次ぐ 「交通弱者」対策急務の中

千葉日報オンライン 8/20(土) 10:43配信

 つくばエクスプレス(TX)の南流山駅(千葉県流山市)で18日、列車がホームにいた高齢者のつえをドアに挟んだまま隣の駅まで走行するトラブルがあったことが19日、運営する首都圏新都市鉄道(東京都台東区)などへの取材で分かった。乗客がつえから手を離したため、けがはなかった。同鉄道では4、5月にも、列車が乗客のバッグなどをドアに挟んだまま走るトラブルが計3回発生。視覚障害者の転落死亡事故などで、いわゆる駅での「交通弱者」の安全対策は急務で、同社は「今後、ドアの開閉は慎重に行う」などとしている。

 同社によると18日午前11時20分ごろ、南流山駅を発車するつくば発秋葉原行き上り快速電車(6両編成)が、乗ろうとした70代乗客のつえをドアに挟んだまま発車した。乗客は発車直前、車内に駆け込もうとして閉まりかけたドアにつえを差し入れたという。車内の乗客が気付き、電車は隣の三郷中央駅(埼玉県)近くで緊急停止して、つえを抜いたという。列車は約6分遅れで運行を再開した。

 同社によれば、「ドアに挟まった物が厚さ1・3センチ未満の場合は検知できず、各安全装置も正常に閉まっていると認識する」という。同線は車掌がおらず、ドアの開閉や安全確認は運転士が担当。トラブル当時は、運転士は発車時に目視をせず、各車両のドア付近を映す安全確認用のカメラの映像を見ていたが、気付かなかったという。全駅に安全用のホームドアが設置されているが、つえはホームドアに接触しない形で挟まっていた。

 同線は、朝夕のラッシュ時には駅係員をホームに配備し安全確認を行っているが、日中は常駐しておらず、当時ホームにいた巡回中の駅係員もトラブルには気付かなかった。

 同線では4、5月に千葉、埼玉両県の2駅で計3回、列車が乗客の荷物を挟んだまま走行するトラブルが発生。鉄道駅では今年4月、東京メトロ半蔵門線九段下駅で、誰も乗っていないベビーカーがドアに挟まれたままホームを引きずられ線路に転落。今月15日には東京メトロ銀座線青山一丁目駅で、盲導犬を連れていた視覚障害のある男性がホームから転落、直後に進入してきた電車にひかれ死亡する事故があったばかりで、交通弱者らの安全対策の必要性が指摘されている。

 トラブルを受けて同社は「今後、ドアの開閉は慎重に行う。駆け込み乗車への注意を喚起するためにも、乗務員への啓発に努める」としている。

最終更新:8/20(土) 10:43

千葉日報オンライン